1987年、テキサス州ヒューストンに開館した美術館。石油会社の財産を相続したドミニク・デ・メニルが20世紀美術と プリミティヴ・アートを中心とする自らのコレクションを展示するために設立した。設計は
ポンピドゥ・センターの設計を手掛けたイタリア人建築家レンゾ・ピアノ。開館時点で1万点以上のコレクションを有していたデ・メニルは、常時全体の一割しか展示せず、展示する作品を次々と入れ替えることにより、作品保護の面では不都合だった自然光を十分に展示室に採り入れる方針をとった。ピアノは、構造家ピーター・ライスらと共同で、彎曲した羽根状の天井を開発し、自然光をうまく採り込むことに成功した。1995年、サイ・トゥオンブリの作品を展示する専用のギャラリーが、通りを挟んだ向かいに、同じくピアノの設計により建てられた。屋根と天井は4重の層となっていて、上から鉄製の構造、傾いたアルミ製ルーバー、電動式ルーバー、布で構成され、天井面から鑑賞に適した光を得ることができる。
(鷲田めるろ)
関連URL
●メニル・コレクション http://www.menil.org
●ピアノ http://www.rpwf.org/frame_works.htm
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