モデリングとは、明暗法(キアロスクーロ)や色面調整法等によって、2次元の平面に事物の立体性を表現することである。明暗法とは、光と影の効果により平面のフォルムに立体性を与えることであり、例えばデッサンにおいて、平面に線で描かれた円、三角形、長方形に、光があたっている部分と影の部分を適切に配分することで、球、三角錐、円筒という立体を描き出すことができる。また、色面調節法は、明暗法でのように、白と黒という明暗のコントラストやグラデーションを用いるのではなく、色彩における暖色と寒色との相関関係により立体性を強調するやり方である。この色面調整法という暖色から寒色へと漸次に移色させることによる立体の表現は、色面の抑揚部分から、また、色彩の筆触を並置にすることから生まれるムーヴマンによる効果を伴うものである。特に、アカデミーの教育では、デッサンによる人体のモデリングが重要視されていた。
(安藤智子)
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