広義には20世紀の音楽(ジャズ、流行歌などのポピュラー音楽も含む)を指す。狭義では第一次大戦後の一時期(1920−30)の音楽運動を指して使われる。後者は反ロマン主義的でそれまでの法則を打ち破り、急進的、実験的傾向をもつことからそう呼ばれ、A・シェーンベルク、I・ストラヴィンスキー、B・バルトーク、E・クシェネクらをこの運動の担い手と認めることができる。新しさへの要請により、無調性、新古典主義、民族主義といった多くの発想がもたらされたが、それらの発想が希薄化するのもまた早かった。とはいえ「様式の多元性と不協和音の解放」という決定的特性が与えたその後の影響は、けっして軽視されうるものではないだろう。この意味で20世紀と過去との断絶の程度はかつてないほどで、やがてその断絶は、作品概念自体の崩壊と音楽観の多様化を呼び起こすことになる。
(川那聡美)
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