春の陽気に誘われてか、村上隆の人気か、それとも公募展なので出品者とその親族と友人たちか、とにかく2日間で3500人以上の入場者だったという。小山登美夫ギャラリーやミヅマアートギャラリーという人気アーティストを扱う画廊のブースと、作家が個人で購入した作品展示ブースが同列に並んでいる。といっても当たり前のことだが、同じようには見えない。出展者は圧倒的に20代がメイン。しかし、40代や高校生も混じっている。映像は見せる環境や機材を整えにくいということもあっただろうが、意外にも写真作品の出展が少なかったのは、写真には他に個人がアピールしてゆける場があるからだろうか。個人的には椹木・村上賞をとっていた松本丈樹のルールのないゲームのオブジェと、そのゲームを挟んで座る松本君本人と着物姿のその友人の「対局」パフォーマンス(?)が気に入った。ちなみに松本君は大学で中国史を学び、水墨画を習いはじめたところからアートの世界に目覚めたらしい。 [3月17日(日) 原久子]