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解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐(脱境界:インターアジアの木版画実践)

最終更新日:2023年04月26日

近年、アジア各地で木版画による芸術・文化実践が再び注目を集めています。20世紀初頭の中国で魯迅によって始まった近代木版画運動は、民衆自身が社会や現実を表現する運動/方法としてアジア各地に伝播しましたが、20世紀後半になると社会構造やメディア環境の変化により下火となっていきました。しかし、2000年代から2010年代にかけてアジアの芸術家や社会活動家たちの一部は木版画を通じて社会や政治の問題を表現し、文化的直接行動や集団的創造の実験、さらには国境を越えた交流・ネットワークを生み出してきました。

本展は《解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐 (脱境界:インターアジアの木版画実践)》と題し、アジア各地から12の作家・活動団体による木版画を紹介します。とりわけ2020年に始まったパンデミックでは、人やモノの移動を一元的に管理する国境の問題や、差別や排外主義などの社会的、心理的な排除や断絶の問題を現前化させました。本展はわたしたちの生きる世界や社会に張り巡らされた「境界」を改めて主題化し、これらの境界からの離脱・解体を志向するトランスナショナルなアジアの木版画実践とそのネットワークについて紹介します。同時に、コロナ期に各地で制作された木版画を比較することで「アジア」という地理的/政治的概念への批判的認識と、さらなる理解・議論の可能性を開くことを目指しています。

ウェブサイトより)

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関連イベント

展示ツアー

本展企画キュレーターによる展示ツアーを行います(自由参加)

日時|4月28日(金)14:00〜15:00(英語 *日本語逐次通訳)、5月6日(土)14:00〜15:00 (日本語)

国際シンポジウム「問題としての境界 -木版画の実践と経験から-」

日時|4月29日(土)12:00〜17:30
第1部「問題としての境界」12:00〜13:30
第2部「実践と経験 I-越境的協働と境界の解体」13:45〜15:15
第3部「実践と経験 II - メディア的思考/現場への介入」15:30〜16:30
第4部「総合討論」16:45〜17:30
会場|東京藝術大学 国際交流棟(Hisao&Hiroko TAKI PLAZA)3階 コミュニティ・サロン
*詳細はこちらをご覧ください。

木版画ワークショップ

日時|5月7日(日)13:00〜17:00
会場|東京藝術大学 陳列館2階
講師|A3BC、その他出品作家
参加費|無料
申し込み|当日受付(席数制限有り)
*詳細はこちらをご覧ください。

展覧会概要

会場
東京藝術大学大学美術館  陳列館 2階
(東京都台東区上野公園12-8)
会期
2023年4月28日(金)〜 5月8日(月)
休館日
会期中無休
開館時間
10:00〜17:00 (最終入館は閉館30分前)
問い合わせ先
東京藝術大学グローバルサポートセンター
E-mail:egami.kenichiro@fac.geidai.ac.jp
主催
インターアジア木版画展実行委員会、東京藝術大学グローバルサポートセンター
出品作家・団体

A3BC(反戦・反核・版画コレクティブ)、陳韋綸(Chen Wei-lun)、劉家俊(Jay Lau Ka-chun)、キム・オク(Kim Eok)、林樂新(Lam Lok-san)、パンクロック・スゥラップ(Pangrok Sulap)、刺紙(Prickly Paper)、印刻部(Print & Carve Department)、點印社(Printhow)、プリントメイキング・フォー・ザ・ピープル(Printmaking for the People)、タリン・パディ(Taring Padi)、木刻波流(Woodcut Wavement) 

キュレーター
吳君儀(独立研究者)、李俊峰(アーティスト)、江上賢一郎(東京藝術大学特任助教) 
ウェブサイト
http://aai.geidai.ac.jp/debodering/