Art Information Archive
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関東エリア 荒谷智子
exhibition世紀末からの跳躍「天道地道」

アーティスト:大野一雄/大野慶人/ジョアン・ソレル

会場:世田谷パブリックシアター
会期:1998年11月11日(水)


93才という信じられない年齢ながら現役舞踏家として精力的に活躍する大野一雄。本公演は土方巽演出。「からだの表現」と称するよりも「呼吸の表現」という印象を受ける。面白かったのはアンコールが3曲もあり、こちらの方がさらに開放されていてとても生き生きとしていた。メイクから見える年齢と裏腹に、真珠のように輝く大きな白い手が彼の現役としてのさらなる挑戦を物語っていた。
exhibitionロバート・アシュリー委嘱新作オペラ「DUST」

アーティスト:音の演出=ロバート・アシュリー/空間の演出=吉原悠博

会場:木のホール 神奈川県立音楽堂
会期:1998年11月15日(日)15:00〜



DUST

アメリカ人が作るアメリカ人のためのオペラを志向し、テレビオペラというジャンルを築いた作曲家ロバート・アーシュリーと、コンピュータ・グラフィックス、巨大なインスタレーション、ビデオアートとさまざまなメディアの中を自由に行き来する若手アーティスト、吉原悠博が組んだ現代オペラ。オペラといってもオペラの既成のイメージを覆される。1時間半程のステージでは、舞台に映し出される抽象的な映像表現によって、観客は視覚的イメージを創り出す。音楽家アシュリーと美術家吉原の強い信頼関係を実感。微妙なタイミングで変化する映像、リズミカルな英語による言葉のテンポはとても心地かったが、訳なしのためにストーリーが十分理解できなかったことが個人的には残念。しかし、訳があることでストーリーに頼りがちになると、リラックスして体感できない。事前に脚本を一読して観ると、さらに制作者の意図を理解し楽しめたと思う。同ホールでは1日公演のみという貴重なコンサートだった。

「DUST」
神奈川県立音楽堂
exhibition代官山アートフェア'98

参加画廊:アートフロントギャラリー/オオタファインアーツ/加藤義夫芸術計画室/
     GALLERY SIDE 2/小山登美夫ギャラリー /Taka Ishii Gallery/
     TARO NASU GALLERY/ハヤカワマサタカギャラリー/
     レントゲンクンストラウム/NADIFF


  会場:ヒルサイドフォーラム
     東京都渋谷区猿楽町18-8ヒルサイドテラスF棟
  会期:1998年11月20日(金)〜11月23日(月)
  入場料:無料
  問い合わせ先:代官山アートフェア'98事務局 03-3476-4868
         
E-MAIL:artfront@alpha-web.or.jp

代官山の中心的なスポットであるヒルサイドテラスが主催するアートイベント。都内の新進気鋭のギャラリー10画廊が参加し、アートフェア、オークションなどを開催。今年は昨年に続き2度めとなる。参加画廊は独自のスタイルをもつギャラリーで構成され、インターナショナルなお勧めアーティストの小作品を出品した。マニアックなアートフェア会場と対象的に、版画中心の国内外作家作品、約120点を出品したオークションは気楽に入札と競りで購入できる。
exhibition「土谷武展」しなやかな造形、生成するかたち

アーティスト:土谷 武

会場:東京国立近代美術館
   東京都千代田区北の丸公園3

  
  会期:1998年9月22日(火)〜11月23日(月)
  開館:10:00〜17:00, 休館日=毎週月曜日(ただし11月23日開館)
  入場料:一般830円/高校・大学生450円/小・中学生330円
  問い合わせ先:NTTハローダイヤル03-3272-8600
         
http://www.momat.go.jp/

土谷武 東京都国立近代美術館

鉄、石、木を素材に個性的な作品を作り続けている土谷武(1926年生まれ)の回顧展。1950年代からの制作の流れを追うことで、地に足についた「ものづくり」への姿勢、柔軟なユーモアをもった「かたち」の創造性、鉄という素材を使った表現力への挑戦が窺える。特に後半期の「植物」シリーズを点在させたインスタレーションは、観る側に重さを感じさせないとても気持ちの良い空間だった。
土谷武
東京都国立近代美術館
exhibition「かたち」の領分――機能美とその転生

アーティスト:ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルト、森谷延雄、重松あゆみ、
       ジュゼッペ・ペノーネ、
トニー・クラッグ、小清水漸 他

  会場:東京都国立近代美術館工芸館
   東京都千代田区北の丸公園1-1
  会期:1998年10月3日(土)〜11月23日(月)
  開館:10:00〜17:00、休館日=毎週月曜日(ただし11月23日開館)
  入場料:一般830円/高校・大学生450円/小・中学生330円
  問い合わせ先:NTTハローダイヤル03-3272-8600

「かたちの領分」 東京国立近代美術館工芸館

文化財指定の明治時代の建造物である工芸館にて開催された、彫刻、工芸、デザインなどのジャンルにこだわらず〈器〉としての「かたち」を絞り込むことで、素材や時代性、国籍の違う作品を並列化した展覧会。出展作家、作品は数が足りないため片寄りのある印象はあるが、バウハウスのもの、茶道具、民芸などから、トニー・クラッグ、ジュゼッペ・ペノーネの作品が展示されていたことは新鮮。なんといっても室町・桃山時代の茶道具が陳列された展示室にある茶室(お座敷き)前にトニー・クラッグの「ノーティラス」(1997年作、高さ1.2m程)の彫刻が展示されているのが斬新。
「かたちの領分」
東京国立近代美術館工芸館
exhibition「アフリカ アフリカ」AFRICA AFRICA

アーティスト:パスカル・マルティヌ・タイユ、ファリッド・ベルカイア、
       ジェーン・アレキサンダー、シプリアン・トクダグバ 他

  会場:東武美術館
     東京都豊島区西池袋1-11-1
  会期:1998年9月11日(金)〜11月24日(火)
  開館:10:00〜19:00、休館日=毎週水曜日、9月24日(ただし9月23日開館)
  入場料:一般1100円/大・高校生900円/中・小学生400円
  問い合わせ先:NTTハローダイヤル03-3272-8600
  
       http://www.tobu.co.jp/art/

日本初のアフリカ全地域の現代アーティスト(9ケ国14人)により、新しい時代のアフリカを紹介する展覧会。宗教、地域が異なるだけでなく、西洋式美術教育を受けたもの、独学のもの、民衆美術の出身のものなど、さまざまなアートフィールドで活躍する作家の作品を展示。目の前の芸術に捕らわれない自由な創作意欲が鑑賞者にエネルギーを与えてくれる。深刻な社会問題を露呈したジェーン・アレキサンダーのストレートに重い作品とシェリ・サンバのユーモアのある風刺的な作品も興味深い。また土着的な物語性のある明るい色彩に満ちた絵画など好きなものが幾つか発見できた。
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