仙台市長町駅前再開発アートワーク
アーティストと小学生の子供たちによるワークショップ
アーティスト:中村哲也
会場:仙台市長町小学校
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会期:1998年11月16日(月)〜11月20日(金)
協力:仙台市長町駅前第1地区市街地再開発組合 仙台市長町小学校
問い合わせ先:株式会社コトブキ TOWN ART Tel.03-3434-3042
e-mail:kudouy@kotobuki.co.jp
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すでに終わってしまったイベントではあるが報告を兼ねて。
このワークショップは、99年4月にオープンする仙台市長町駅前再開発事業にアメニティ計画として導入されるパブリック・アートの原画を、地域の小学生がアーティスト中村哲也との4日間のワークショップを通して完成させる、という試み。アート・ワークは子供たちが自由に発想した街の未来像だが、子供たちの描いた絵をそのまま作品化するのではなく、中村哲也とのコラボレーションから生まれる、子供たちの“発想”自体をコンピュータの3Dグラフィックによって具体化していく点が特徴だった。また、事前に地元歴史家、建築家、都市計画デザイナー、服飾デザイナーからそれぞれの分野に関するレクチャーを聞かせ、子供たちの新鮮で自由な創造性を刺激するという工夫もあった。来春完成予定の作品が楽しみ。
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呼吸する視線:河口龍夫展――みえないものとの対話
会場:いわき市立美術館
福島県いわき市平字堂根町4-4
会期:1998年11月21日(土)〜12月20日(日)
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開館:9:30〜17:00、休館日=月曜(11月23日は開館、翌日休館)
入場料:一般840円/高・高専・大学生520円/小・中学生310円
問い合わせ先:0246-25-1111
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昨年秋の千葉市美術館、今秋の水戸芸術館、そしていわき市立美術館の本展と、たてつづけに美術館規模での発表が重なった河口龍夫。来年は京都市美術館での個展も計画中とのこと。千葉、水戸、いわきの3展とも異なったテーマを掲げていたものの、総体として一連なりの大きな展覧会と見ることもでき、河口が作品タイトルに用いる「関係」の意味を多角的に考える機会となった。さて、今回のいわき展も先の2館同様、植物、種子、鳥の巣をはじめとするさまざまなオブジェクトを鉛で封印した《関係》シリーズで構成されていたが、展示の中心になったのが、本展が初公開の《関係─教育・エドゥカティオ》(1992〜1997)。大学教授として教育現場に携わる河口が、将来退官の時に発表するつもりで作りためてきた卓上サイズの立体作品群である。作品は、毎年大学が発行する履修要覧などの冊子類を蜜蝋や鉛、銅と組み合わせたもので、教室の机を模して整然と並べられた白い展示台の上に1点ずつ設置されていた。観客は、ちょうど教師が机の間を巡視するように、展示台の間を歩きながら、個々の作品が見せる実に個性豊かな表情を観察していくことになる。多様な個性を事務的に均質化することでしか成り立ち得ない教育制度と、それでもなお呼吸しつづける個々の生命との関係を物語るかのようで、鮮烈な印象を与える展示だった。また、斎藤さだむ氏の端正なモノクロ写真による作品図版と、企画段階における作家と美術館のやりとりの克明な記録を収録した展覧会カタログも出色。 |
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日本のライフ・スタイル50年:生活とファッションの出会いから
アーティスト:森村泰昌、村上隆、伊坂芳太良、三宅一生、川久保玲他
会場:宇都宮美術館 栃木県宇都宮市長岡町1077
会期:1998年11月22日(日)〜1999年1月10日(日)
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開館:9:30〜17:00、休館日=月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、
祝日の翌日(土・日・祝日の場合は休館)、年末年始(12月28日〜1月4日)
入場料:一般600円/高校・大学生400円/小・中学生200円
企画協力:武蔵野美術大学空間演出デザイン学科ファッションデザイン研究室
問い合わせ先:028-643-0100 |
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“公立美術館という「ファイン・アートの殿堂」で、日本における戦後50年のライフ・スタイルを多角的に取り上げるという冒険……(中略)こうした欠落部分をすくい上げていくこの企画では、単なる懐古趣味に走ったり、ファッションの分類標本を並べることに満足せず、しかもハイ・カルチャー批判に終始するような安易なアンチテーゼを超えた展示を目ざし”とは、本展カタログのカバーに書かれたコピーの弁。たしかに近年流行の漫画の展覧会同様、ライフ・スタイルとファッションも“そのダイナミズムによってひそかに解体されつつある近・現代美術”(前出カバーから)のことを思えば、美術館が当然取り上げるべきテーマの一つである。その意味で本展はきわめて意欲的な試みと評価されてよいと思う。しかしながら本展が、限られた空間でこうしたテーマを展開することの難しさを露呈していたことも事実。展示は、各時代ごとのファッションを軸にポスターや工業製品など総数500点以上を、1940年代から現代まで10年ずつのブースで見せるというものだったが、やはり「駆け足でたどる」式の表層的な印象を免れなかった。展示、カタログともに企画者の意気込みが伝わってくる内容だっただけに、対象範囲や時代をもう少し絞った構成で再度見てみたいと思った。そんなことを考えながら展示室を出ると、中央ホールの大空間の中空に、出品作品の一つ村上隆の巨大なバルーンの《DOB君》が冬日を浴びて超然と浮遊する姿が、わが国の激動の50年とその果てを象徴するようで印象に残った。 |
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冬期休館情報
CCGA現代グラフィックアートセンター
福島県須賀川市塩田宮田1
1998年12月21日(月)〜1999年3月5日(金)
問い合わせ先:Tel:0248-79-4811 e-mail:ccga@po.iijnet.or.jp
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ハラミュージアムアーク
群馬県渋川市金井2844
1999年1月6日(水)〜3月19日(金)
問い合わせ先:原美術館 Tel:03-3445-0651
e-mail:harainfo@ka2.so-net.ne.jp
ハラミュージアムアーク Tel:0279-24-6585
e-mail:haraarc@mail.wind.ne.jp
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福島の新世代'98
アーティスト:石川貞治、薄井崇友、宗像利浩、線幸子、加藤学、高橋克之、渡辺晃一
会場:福島県立美術館 福島県福島市森合字西養山1
会期:1998年12月11日(金)〜1999年2月7日(日)
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開館:9:30〜17:00、休館日=月曜日、年末年始(12月28日〜1月4日)
入場料:一般・大学生630円/高校生470円/小・中学生310円
問い合わせ先:024-531-5511 |
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福島県内在住・出身の若手作家を紹介するグループショウ。今回は、絵画、インスタレーション、写真、陶芸などから30,40代の作家7名が選ばれていた。個人的に気になったのは、《図書館》と題して16点組絵画シリーズを発表していた高橋克之。石室の迷宮を舞台に、マーク・コスタビのそれのような様式化された登場人物たちが不条理な物語を繰り広げるという作品で、油性ペンキと木炭によるざらついた画面の質感が秀逸。作品個々に付された奇妙なタイトルが陰鬱で閉塞感に満ちた世界を描きながら、どこか飄々としたユーモアを漂わせていたのも面白かった。他には、雲や木々といった断片的かつ私的な光景の写真像を感光乳剤を塗ったフォーマリズム風の抽象画面に重ね焼きした、薄井崇友の作品も印象に残った。ところで、公立館での同様の企画は他県でも広く行なわれていることと思う。地域の芸術文化振興という観点から、こうした企画が地方の公立館に期待されるのは当然だが、しかしながら、この種の展覧会が往々にして地元に縁のある作家を単に寄せ集めただけで終始しがちなのもまた事実。本展がそうだと言っているのでは決してないし、若手限定とはいえ相当な数に上ると思われる該当者の事前調査と人選にあたった学芸員の苦労も偲ばれるが、非伝統的な素材・手法の作家のすぐ隣で伝統的な工芸作家が展示しなければならないのは、両者にとっても観客にとっても少々酷だったのではないだろうか。 |
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コレクションによる物語る美術:アンソロジー/本、死、モード、ジェンダー
アーティスト:ドラクロア、ドーミエ、ブレイク、駒井哲郎、日和崎尊夫、柄沢斎、加納光於、
若林奮、池田龍雄、戸谷成雄、草間彌生、ヨーゼフ・ボイス、
アンゼルム・キーファー、ソフィー・カル、キキ・スミス、オノデラユキ、
笠間恵実子他
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会場:栃木県立美術館 栃木県宇都宮市桜4-2-7
会期:1998年12月20日(日)〜1999年2月11日(木)
開館:9:30〜17:00、休館日=月曜日、祝日の翌日、
年末年始(12月28日〜1月4日)
入場料:一般500円/高校・大学生300円/小・中学生200円
問い合わせ先:028-621-3566 |
栃木県立美術館は近年、フォーマリズムの規範から逃れてより積極的に同時代の社会や文学、歴史の傷痕などと関わろうとする美術を検証する数々の企画展を開催してきた。そうした展覧会には、まだ記憶に新しい『揺れる女/揺らぐイメージ』(1997)から、『死にいたる美術――メメント・モリ』(1994)、『モードと風刺』(1995)、『物語る絵:19世紀の挿絵本』(1989)、『本の宇宙』(1992)などがあるが、本展は、これら一連の展覧会に出品された同館の所蔵作品を再構成したもの。16世紀の挿絵本から、現代の絵画、版画、写真、立体までを一堂に会し、社会・歴史・文学と美術の関係を時代とテーマ毎に探るという野心的な企画展。
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