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大阪 |
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昨年末、東京都写真美術館で開催された際、話題になった展覧会が大阪に巡回する。新しい視角によってヌード写真を考える試みが、評価された展覧会だ。ヌードは、美術のあらゆる分野で主要なテーマとしてあり続けてきたが、男性の目でその表現も評価も決定されてきた歴史がある。この展覧会では「女」という他者の視線から、ヌード写真を既存の枠組みや歴史を読み直し、エロスや性の表象としてでだけでなく、関係性・主体性の観点からとらえている。インスタレーション、映画なども展示作品に加え、別の意味での他者であるゲイやレズビアンの視線をも多角的に盛り込んだ意欲的な展覧会である。
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兵庫 |
画家と額縁――もうひとつの美術史
会場:西宮市大谷記念美術館
西宮市中浜町4-38
会期:1999年2月20日(土)〜3月22日(月)
開館:10:00〜17:00(入場は16:30まで)休館日=水曜日
観覧料:一般800円、高大生600円、小中生300円
お問い合わせ:tel.0798-33-0164
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展示風景
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近代日本における絵画史を、画家と額縁との関係を通して考えた実験的な展覧会が催された。西洋絵画の受容とともに日本でも額縁が絵画に用いられるようになった。額縁は作品の保護や装飾を目的として使われるようになったと思われる。西洋では時代時代でそのデザインも発展を遂げてきた。日本ではそれにかわるものとして表具のデザインや技術が発展した。絵画作品を観るとき、普段は額縁のことなど気にもとめていなかったが、こうやって一つの展覧会として概観してみると、何とも奥が深い。絵画の歴史とともにさまざまな流れが作り出されていった。岸田劉生などは決まった工房に額を発注している。漆を二度施し、金箔を用いているが、シックで落ち着いたものだ。こうしてあらためてみると作品との一体感があるのに驚く。梅原龍三郎は、額縁に更紗や織物を好んで使っていたようだ。日本的な表装の影響があるのだろう。しかし、現代絵画はキャンヴァスがむきだしであることが多く、額縁をつけるということは、そのこと自体に意味が含まれていたりする(例えば、森村泰昌の「美術史の娘」シリーズのように)。この展覧会は、額の面白さだけをみせていたわけではない。秀作ぞろいで文句なく楽しめた。そして、なおかつ‘お勉強’になった、地味だが素晴しい展覧会であった。
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WATER SCAPE――水のある風景
会場:兵庫県立近代美術館
神戸市灘区原田通3-8-30
会期:1999年2月20日(土)〜3月22日(月)
開館:10:00〜17:00(入場は16:30まで)休館日=月曜日(ただし3月22日(月・振替休日)は開館)
観覧料:一般800円、高大生500円、小中生200円
お問い合わせ:tel.078-801-1591
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水は私たちの日常生活に欠かすことのできない要素として存在する。これがなくては生命の維持すらできない。都市も農村も水(川や海など)を中心に栄えていく。豊かな水の恵みが、私たちにもたらすものの大きさは計り知れない。そんな水をいろいろな角度から表現した作品を集めた展覧会が行われた。様の東西を問わず、また古今を問わず、美術作品の水が重要なテーマになっていることの多いことに気付くかされる。浮世絵のなかの「水鏡」。水面に映る風景は2つのイメージが1つの画面のなかに共存することを許す。多様な水の色の表現。海辺の風景など。そして、現代では形なき物質としてのイメージが、動きをともなって表現されている。水はこれからも私たちにさまざまな風景を運んできてくれることだろう。
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展示風景 |
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静謐の美 知られざる具体の系譜
アーティスト:吉原治良 金山明 菅野聖子ほか
会場:芦屋市立美術博物館
芦屋市伊勢町12-25
会期:1999年3月20日(土)〜5月30日(日)
開館:10:00〜17:00 休館日=月曜日(ただし5/3は開館、5/6休館)
入場料:一般300円、大高生200円、中学生以下無料
お問い合わせ:tel.0797-38-5432
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荒々しい筆致や素材の生々しい物質感などを強調せず、感情の吐露を抑えたようにみえる作品、「幾何学的」と形容されることの多い作品が、今回の展覧会では出品されている。これらは一般的に「冷たい抽象」と呼ばれる傾向にあり、戦後のアクション・ペインティングに代表されるような「熱い抽象」に比べると控えめな印象を見る人に与える。具体美術協会の作品というと、もっぱら「熱い抽象」に注目が集まるが、実際にはそれとは正反対の作品も多くある。具体のリーダーであった吉原治良の幾何学的抽象の作品とともに、彼の気質と共鳴する作風をもつ作家の作品を館蔵品より選んで展示。幾何学的要素の構成のうちに内面的なものを表わそうとした意志を、具体の系譜に見い出そうという企画。
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シャガール版画展
会場:伊丹市立美術館
伊丹市宮ノ前2-15-20
会期:1999年4月3日(土)〜5月9日(水・祝)
開館:10:00〜17:00(入館〜16:30)休館日=月曜日(ただし5/3開館、5/6休館)
入場料:一般700円、大高生350円、小中生100円
お問い合わせ:tel.0727-72-7447
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シャガールのリトグラフ作品「アラビアンナイト」全12点などを含む42点の版画作品が出品されている。
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サンテ・ドラジオ写真展 スーパースターたちの素顔
アーティスト:サンテ・ドラジオ
会場:神戸ファッション美術館
http://www.exd.city.kobe.jp/kfm/
神戸市東灘区向洋町中2-9
会期:1999年3月18日(木)〜5月18日(火)
開館:11:00〜18:00(入館は閉館30分前まで、金曜日は〜20:00)
休館日=水曜日 5/5、5/6は開館
入場料:一般800円、小中高生、65歳以上600円
お問い合わせ:tel.078-858-0050
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サンテ・ドラジオは、『VOGUE』『PLAYBOY』『ELLE』など世界の名だたるファッション雑誌での活躍や、優れた広告作品によって今もっとも注目を集めているファッション・フォトグラファーの一人だ。スーパーモデルをはじめ、映画界、音楽界の著名スターの知られざる一面が、彼の作品のなかには満ち溢れている。1994年、国際ファッション写真フェスティバルでグランプリを受賞するなどし、写真界で重要なポジションを確立しつつ、第49回ヴェネチア国際映画祭でドキュメンタリー作品『Sammy』を上映するなど他ジャンルへも活動の場を広げている。日本では初めての彼のこの展覧会では、モデルや映画俳優、ロックスター、スポーツ選手など各界約50名のスターの写真100余点を厳選し展示する。
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「Compact Disc」V.A.〜CDというメディアの響宴〜
アーティスト:維新派 植松奎二 岡田武志 小川信治 かなもりゆうこ
木村望美 PUBWAY 松井智恵 武蔵篤彦 珍しいキノコ舞踏団など総勢131名
会場:神戸アートビレッジセンタ−1階KAVC ギャラリー
http://www2.osk.3web.ne.jp/~kavc/
神戸市兵庫区新開地5-3-1
会期:1999年4月29日(祝)〜5月9日(日)
開廊:10:00〜19:00(最終日〜17:00)5/6休廊
入場無料
お問い合わせ:tel.078-512-5353
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美術・演劇・映画など様々なジャンルのアーティストがコンパクト・ディスク(CD)を素材にした造形作品や、音の作品を出品する。CDは、記号的音として凝縮されたデジタル信号を内包し、私たちに時間と空間を兼ね備えた場を提供する、キラキラと表面の輝く、チャーミングな円盤だ。このCDを用いて、ジャンルを問わない面々がどんな作品を出してくるのか楽しみである。
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兵庫の美術家
会場:兵庫県立近代美術館
神戸市灘区原田通3-8-30
会期:1999年4月10日(土)〜5月16日(日)
開館:10:00〜17:00(入場は16:30まで) 休館日=月曜日(ただし5/3は開館、5/6休館)
観覧料:一般700円、高大生500円、小中生300円 、
兵庫県内の小中生はココロンカードを持参すれば無料
お問い合わせ:tel.078-801-1591
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1985年より兵庫県立近代美術館で継続的に行なわれているこの展覧会は、県内の美術家の活動を広く紹介することを目的としている。シリーズ9回目の今回は、日本画、工芸、写真などの分野で意欲的に活動を続ける23名の美術家が招待されている。世代もジャンルも、表現方法も異なる彼らの個性あふれる作品を展示し、兵庫の美術状況の一断面を示すもの。
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濱田龍「犬の情景2」(部分)1999 |
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