会場:福岡アジア美術館 福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレイン7,8F 会期:1999年3月6日〜6月6日 開館:10:00〜20:00(入館は19:30まで)、休館日=毎週水曜日 入場料:一般800円(500円)、高大生500円(300円)、小中生300円(200円) *( )内は前売り料金 問い合わせ先:福岡アジア美術館 092-771-8600 (イベント詳細については、交流係 092-263-1103まで)
5月の来福アーティストと制作予定: ・モントリー・テオンソンバット(タイ) 5/6-5/19…Rice Coatを着たパフォーマンス ・マハディ・マトゼン(ブルネイ) 5/6-5/26…油彩画の制作 ・田甫律子 5/6-5/26…気球を川で飛ばすパフォーマンス ・ドーンディ・カンタビレィ(ラオス) 5/6-5/26…ラオスの民話をモチーフにした紙芝居の実演 ・ヌール・アジザン・ラーマン・パイマン(マレーシア) 5/6-5/26…マレーシアのアイスクリームを手押し車を押しながらふるまうプロジェクト ・ザグディン・ウセバイアー(モンゴル) 5/6-5/26…椅子とリンゴ、電球を使ったインスタレーション ・ポポ(ミャンマー) 5/6-5/26…ペイントしたガラス箱を組み合わせたインスタレーション ・ウマ・サンカーン・サー(ネパール) 5/6-5/26…エッチングの制作 ・アマンダ・ヘン(シンガポール) 5/6-5/26…もやしのひげを取りながら対話するプロジェクト ・チャンドラグプタ・テヌワラ(スリランカ) 5/6-5/26…ドラム缶を使ったインスタレーション ・タン・ダウ(シンガポール) 5/20-6/2…「錫の一生、ゴムの一生」およびパフォーマンス、ディスカッション 福岡アジア美術館では、月替わりで10名近いアーティストが来福し、公開制作、パフォーマンスに加えてアーティスト・トークなどさまざな活動を日々行なっている。ただし直前で予定が変わったりと情報が変動的なうえに、事前広報があまりに少ないのでこれまで不満の声が多かった。ところがさすが助け合いの福岡! 外部の美術関係者によるボランティアのファックス号外が定期的にでるようになった(送付希望者はファックス番号と名前、号外希望の旨を書いて、092-521-6772、IAF宮本までファックスを)。交流型のアジア展らしく、展覧会の内容も変貌し続けており、美術館外の展示も増えつつある。 これまでに私が見たイベントの中では、4月18日の夕刻、博多祇園山笠で有名な櫛田神社(アジ美の近く)の参道と本殿前で行われた、韓国のアーティスト、イユムのダンスパフォーマンス「ザ・サイキック」が印象深い。折り悪く冷たい雨の中の公演となったが、巫女の衣装をまとったイユムらイメージシアターのメンバーのダンスは、雨さえも味方につけて、見る者を神秘的な異次元の世界に引き込んでいった。巨大な銀杏の木を取り囲んだ境内の場の力にパフォーマンスが助けられたといえなくもないが、格式ある櫛田神社でこのようなイベントが開かれるのは初めてで、地元の人間に身近な場所を再発見させた新鮮な体験であったことは間違いない。「日本社会の主流をなす価値観」と相反するがゆえに存続しうるというアイロニーを抱えたアジア美術館の未来、その一端は、こうした日常生活のただ中から生まれる創造的な表現が切り開いていくことと思う。
福岡アジア美術館では、月替わりで10名近いアーティストが来福し、公開制作、パフォーマンスに加えてアーティスト・トークなどさまざな活動を日々行なっている。ただし直前で予定が変わったりと情報が変動的なうえに、事前広報があまりに少ないのでこれまで不満の声が多かった。ところがさすが助け合いの福岡! 外部の美術関係者によるボランティアのファックス号外が定期的にでるようになった(送付希望者はファックス番号と名前、号外希望の旨を書いて、092-521-6772、IAF宮本までファックスを)。交流型のアジア展らしく、展覧会の内容も変貌し続けており、美術館外の展示も増えつつある。 これまでに私が見たイベントの中では、4月18日の夕刻、博多祇園山笠で有名な櫛田神社(アジ美の近く)の参道と本殿前で行われた、韓国のアーティスト、イユムのダンスパフォーマンス「ザ・サイキック」が印象深い。折り悪く冷たい雨の中の公演となったが、巫女の衣装をまとったイユムらイメージシアターのメンバーのダンスは、雨さえも味方につけて、見る者を神秘的な異次元の世界に引き込んでいった。巨大な銀杏の木を取り囲んだ境内の場の力にパフォーマンスが助けられたといえなくもないが、格式ある櫛田神社でこのようなイベントが開かれるのは初めてで、地元の人間に身近な場所を再発見させた新鮮な体験であったことは間違いない。「日本社会の主流をなす価値観」と相反するがゆえに存続しうるというアイロニーを抱えたアジア美術館の未来、その一端は、こうした日常生活のただ中から生まれる創造的な表現が切り開いていくことと思う。
会場:MOMA CONTEMPORARY 福岡市中央区大名1-1-3 2階 会期:4月8日〜5月8日 10:30〜19:00、休館日=日・月曜、祝日 入場無料 問い合わせ先:MOMA CONTEMPORARY 092-715-0355
台湾現代美術作家の個展シリーズの第6弾。福岡アジア美術館開館以前から、積極的に台湾の作家を調査し紹介し続けてきたこの画廊の存在は大きい。(福岡市美術館時代のアジア美術展では台湾の作家は紹介されなかった)植民地時代を経た現在の台湾のアイデンティティーと自身のそれを重ねあわせて考察する今回の作家の視線も鋭い。
会場:田川市美術館 福岡県田川市新町11-56 会期:1999年4月8日〜5月9日 開館:9:30〜17:30(入館は17:00まで)、休館日=毎週月曜日 入場料:一般500円(400円)、高大生300円(200円)、 小中生100円(80円) *( )内は前売り、団体料金 問い合わせ先:田川市美術館 0947-42-6161
昨年亡くなった立石大河亜は、かつて炭坑の町として栄えた福岡県田川市出身。その多彩な美術家人生をアーティスト・ネームの変遷にそった3つのコーナーで紹介する回顧展。<立石紘一(1941〜67)>の時代では、大衆と社会をテーマにした読売アンパンデビュー作「共同社会」(1963)、手塚漫画や映画が重要な要素をしめる絵画「立石紘一のような」(1964)ほかを紹介。中村宏と「観光芸術研究所」を設立し、ナンセンス漫画を発表し始めたのもこの頃。<タイガー立石(1968〜89)>の時代には、1969〜82年にかけてミラノに在住しオリベッティ社等でデザイナーとして活躍し、漫画のコマ割に着想を得た「コマ割絵画」も作成。<立石大河亜(1990〜98)>の時代では、近世、近代の流れを一目で観光できる「大河画四部作」を手がけ、陶を素材に立石ワールドを三次元化した「巨匠」シリーズ、絶筆「税関吏ルソー」などがならんだ。 以前の個展と比べて少々新味に欠ける出品構成だったが、イタリア時代の後年、立石が想像力と独自の色彩感を活かし、科学図鑑や年鑑のイラストを主に手がけていたことを知ることができたのは収穫だった。
会場:ギャラリーとわーる 福岡市中央区天神2-8-34 住友生命ビル1階 会期:1999年4月21日〜5月14日 開廊:11:00〜19:00(最終日17:00まで) 入場無料 問い合わせ先:ギャラリーとわーる 092-714-3767
九州・福岡を代表する版画家の新作個展。独自の質感をもつシルクスクリーンによるグラデーション技法は完璧の域にある。20年以上かけて成長し続ける「球体」シリーズはいよいよ目が離せない。
会場:福岡市美術館 福岡市中央区大濠公園1-6 会期:1999年4月24日〜5月16日 開館:9:30〜17:30(入館は17:00まで)、休館日=毎週月曜日 入場料:一般1000円(800円)、高大生800円(600円)、 小中生500円(300円) *( )内は前売り、団体料金 問い合わせ先:福岡市美術館 092-714-6051
同美術館所蔵作品の中から、桃山から江戸にかけての文化を象徴する作品だけでなく、日本の近世文化に影響を与えた中国・朝鮮の陶磁器も併せて展示中。絵画、書跡、陶磁器、茶道具など重要文化財4件を含む選りすぐりの名品70件の中には、復元された秀吉の「黄金の茶室」もある。