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プライベートルームII:新世代の写真表現
アーティスト:菅野純、白井里実、長島有里枝、中野愛子、蜷川実花、
野口里佳、野村恵子、原美樹子、宮下マキ、山本香
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
茨城県水戸市五軒町1-6-8
会期:1999年4月3日(土)〜6月6日(日)
開館:9:30〜18:30 休館日=月曜(5月3日を除く)
入館料:一般800円/中学生以下、65歳以上、身体障害者の方は無料
問合せ先:029-227-8120
URL: http://www.arttowermito.or.jp/
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長島有里枝、蜷川実花など、70年前後生まれの女性フォトグラファー10人を取り上げた展覧会。“女の子写真ブーム”と時には揶揄されながらも、90年代の写真表現においてもはや欠かすことのできないトピックとなった、この動向を探ろうという試みである。ずいぶん前に、ある作家から、今一番注目しているものとして、当時女子高生たちの間に流行していたポラロイド写真投稿雑誌を見せられ、投稿写真が発する無軌道なまでの本能的な熱気に驚いたことがある。最近の女性フォトグラファーの活躍もどこかでそれとリンクしているのでは、と想像していたが、展覧会を見て、彼女たちの仕事が女子高生たちの無軌道さとは無縁で、また、“女の子写真”という一言で括れるほど単純ではないことにあらたためて気づかされた。それは同時に、彼女たちの仕事に、女子高生の投稿写真が秘めていた破壊的なラジカリティを期待してはいけない、ということでもある。家族や友達といった私的な光景をほとんど距離感ゼロで撮影しながらも、その態度は意外なほどクールで、こう言ってよければ、古典的にすら見えた。とはいえ、やはり、従来の写真の文脈では語り得ない、匂いや皮膚感覚にも似た何かがあるのも事実。それは多分、被写体との距離の近さの問題ではなく、彼女たちと写真というメディアそのものとの距離の近さの問題であるように思えた。
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四つの視点:人間像の表現展
アーティスト:中村彝、中原悌二郎、舟越保武、林武、小出楢重、中西利雄、
石井柏亭、熊岡美彦、麻生三郎、北川民次、熊谷守一、堀越隆次他
会場:茨城県つくば美術館
茨城県つくば市吾妻2-8(つくば文化会館アルス内)
会期:1999年4月29日(木)〜5月22日(土)
開館:9:30〜17:00 休館日=5月6日、5月10日、5月17日
入館料:一般170円/高校・大学生110円/小・中学生80円
問合せ先:0298-56-3711
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中村彝、中原悌二郎、麻生三郎など、同館の所蔵作品67点で、わが国の美術において、これまで人間がどのように表現されてきたかを展示する。展示は、(I)自画像と肖像画、(II)着衣像と裸婦、(III)母子像と少年たち、(IV)さまざまな人間表現、の4つのパートに分けられ、油彩画を中心に彫刻作品も出品される。
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身体のロゴス:ドイツからの14人の女性アーティストたち
アーティスト:ローズマリー・トロッケル、レベッカ・ホーン、カタリーナ・フリッチュ、
イザ・ゲンツケン、マリア・アイヒホルン、カーリン・ザンダー他
会場:栃木県立美術館
栃木県宇都宮市桜4-2-7
会期:1999年4月11日(日)〜6月27日(日)
開館:9:30〜17:00 休館日=月曜日(5月3日は除く)、4月30日、5月6日
入場料:一般800円/高校・大学生500円/小・中学生200円
問合せ先:028-621-3566
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ローズマリー・トロッケル、レベッカ・ホーン、カタリーナ・フリッチュなどの有名作家に、ドイツ国外ではまだあまり知られていない若手を加えた、計14名の女性アーティストを紹介する。先の国立国際美術館(大阪)に続いて巡回2会場目となる。出品作家に共通しているのは、育児や家事労働に代表される日常生活の視点を作品制作に導入することで、モダニズムの精神が疎外してきた肉体や女性性を回復させようという態度である。と言っても、ジェンダーはここではあまり問題にされていない。もちろん、マッチョな近代主義に対する批判ではあるのだが、展覧会全体の印象は意外なほど軽やか。たとえば、ローズマリー・トロッケルの、台所のレンジ台を模した≪レンジ絵画≫や、ニットでカラー・フィールド・ペインティング風の抽象画面を織った≪ニット絵画≫が、フォーマリズムへの痛烈なアイロニーとなりながらも、同時に、あっけらかんとした美しさと明るさを見せていたように、彼女たちは、自らの女性性を通して汎人間的な芸術を回復できることを、文字通り楽しんでいるようにすら思えた。
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オルレアン美術館展――ロココからエコール・ド・パリまで
アーティスト:トロワ、フラゴナール、ドラクロワ、コニエ、クールベ他
会場:宇都宮美術館
会期:1999年3月21日(日)〜5月16日(日)
開館:9:30〜17:00 休館日=月曜日、3月23日、4月30日、5月6日
入場料:一般900円/高校・大学生600円/小・中学生300円
問合せ先:028-643-0100
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ジャンヌ・ダルクで有名なフランスの地方都市、オルレアン市。本展は、同市と宇都宮市の姉妹都市提携10周年を記念したオルレアン美術館のコレクション展。フランスの地方美術館でも5本の指に入るという有数のコレクションから、18世紀ロココ美術、19世紀ロマン派、20世紀エコール・ド・パリなど95作品が展覧される。
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原美術館コレクションの中から日本人作家12名を取り上げた所蔵品展。主題・素材・方法とも様々な表現の作品を、多種多様な動植物が共生する森の自然(=ネイチャー)に例え、12人の表現が織りなすイメージの森をめぐりながら、現代美術の特質(=ネイチャー)を味わおうという企画。
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ようこそ美術図鑑へ:現代美術の素材あれこれ
アーティスト:ニキ・ド・サンファール、ヘレン・フランケンサーラー、デヴィッド・ナッシュ、
若林奮、戸谷成雄、李禹煥、河口龍夫、蔡國強、三木富雄、
中西夏之、菊畑木久馬、他
会場:いわき市立美術館
福島県いわき市平字堂根町4-4
会期:1999年4月14日(水)〜5月16日(日)
開館:9:30〜17:00 休館日=月曜(5月3日を除く)、5月6日
入場料:一般520円/高・高専・大学生310円/小・中学生210円
問合せ先:0246-25-1111
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タイトルにあるとおり、作品の素材を通じて現代美術に対する理解を深める、教育・普及目的の企画展。会場を、「絵具」、「プラスチック」、「金属」、「木・紙」、「石・砂・土」の5つのパートに分けて、同館のコレクションと、また特別展示として、目黒区美術館制作の画材・材料のサンプル集≪画材と素材の引き出し博物館≫が展示されていた。もちろん、技法・素材がいくらわかったところで、作品の理解に即つながるわけではないが、難解な作品を前に、素材や技法を知ることで、いくらかでも安心したいというのは自然な反応であり、本展は、そういった来館者の素朴な感情を十分に満足させてくれる。さらに、それぞれの素材でできた身の回りの品物、たとえば楽器やオートバイなど、もあわせて展示しているところに、美術が現実世界から隔絶した特殊な秘儀などでは決してないことを示そうという、企画者の意図が感じられた。それにしても一番感心させられたのは、同館の現代美術コレクションの質の高さ。それだけでも足を運ぶ価値あり、といったところか。
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いわきの美術IV 境界を越えて――立体表現の拡がり(パートI)
アーティスト:安藤栄作、上遠野敏、北郷悟、小滝勝平、鈴木蛙土、舟生厚、
緑川宏樹、森川亮輔、山本伸樹、湯川隆
会場:いわき市立美術館
福島県いわき市平字堂根町4-4
会期:1999年5月29日(土)〜6月27日(日)
入場料:一般300円/高・高専・大学生100円/小・中学生50円
問合せ先:0246-25-1111
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地元ゆかりの作家を紹介するシリーズ企画。今回は、立体作品を制作する10作家を取り上げる。「境界を越えて」というタイトルは、具象、抽象、インスタレーションといった便宜的な分類を行なわずに、立体表現というゆるやかな括りで、いわきの美術の多彩で豊かな表現とダイナミズムを捉えようという意味。
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かたる・かたち:
タイラーグラフィックス・アーカイヴコレクションVol. 6展
アーティスト:スティーヴン・ソーマン、デイヴィッド・サーレ、
T.L.ソリエン、ドナルド・サルタン、テレンス・ラ・ヌー他
会場:CCGA現代グラフィックアートセンター
福島県須賀川市塩田宮田1
会期:1999年6月5日(土)〜9月5日(日)
開館:10:00〜17:00 休館日=月曜、祝日の翌日
入場料:一般300円/学生200円/小学生以下、65歳以上、身体障害の方は無料
問合せ先:0248-79-4811 e-mail: ccga@po.iijnet.or.jp
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CCGA所蔵の、アメリカを代表する版画工房タイラー・グラフィックス社のアーカイヴ・コレクションによる所蔵品展。今回は、80年代以降のアメリカ美術において、具象、抽象に関わらず、形象がどのように扱われてきたか、というテーマで作品を選んでいる。
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