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関東エリア 荒木夏実
Exhibitionミミ・ゲルマン展:スローモーションで逃れる

会場:カナダ大使館地下2階ギャラリー(港区赤坂7-3-38)
会期:1999年5月12日〜6月18日
問い合わせ:03-5417-6200


ミミ・ゲルマン展“ナイーブ”な感じのする古色じみた紙を使ったドローイングはちょっといただけないが、9枚組の真っ黒な正方形のガラス・パネルにシンプルなイメージが白く浮かび上がるインスタレーション「Light and Shadow」(1999)は印象的な作品だ。どこまでも深い闇をたたえた黒いガラス。
作家がドイツから取り寄せたというこのガラスは何しろインパクトのある素材なのである。
作家が京都と伊勢で遭遇した神秘的な光と影、物質的なものと霊的な存在を融合させたいという試みが展覧会の趣旨であったようだが、コンセプトの饒舌さが裏目に出ているように感じられた。あのクールなブラック・グラスを見せるだけで、多くを語らなくても充分。それは私の勝手な趣向というものだろうか。
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Topics『DOBSF:ふしぎの森のDOB君』

著者:村上隆 AD:山本ムーグ 出版社:美術出版社 価格:2,300円+税


「DOBSF:ふしぎの森のDOB君」DOBの目がデザインされた特製のビニール・ケース入り(限定版とのこと)のこの絵本は、表紙もポップで凝っており“モノ”として欲しくなるアイテム。中はDOB、DOB、DOBBY…であふれている。間抜け顔でたたずみ、浮遊し、ねじれ、分裂し、ふくらむDOB君。パラパラマンガのようにめくるとその躍動をエキサイティングに味わうことができる。特にミルク状の飛沫に乗って飛ばされるDOBを描いた8ページのできごとはすごい迫力。何度も何度も繰り返しページをめくらずにはいられない。
忘れていたちょっと切ない気持ちがよみがえる、ファンタジーの傑作だ。

 

「DOBSF:ふしぎの森のDOB君」表紙

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exhibition身体のロゴス:ドイツからの14人の女性アーティストたち

会場:栃木県立美術館(宇都宮市桜4-2-7)
会期:1999年4月11日〜6月27日
問い合わせ:028-621-3566


身体のロゴス:ドイツからの14人の女性アーティストたち ローズマリー・トロッケル、レベッカ・ホルン、カタリーナ・フリッチェ…。こうして名前を並べてみると、ドイツにはパワフルな“スター”女性アーティストが多いことに改めて気づかされる。“身体性”を軽々しく扱うと、内気な自己愛の露呈といった気持ちの悪いものになりかねないが、本展は、イデアの呪縛から逃れられないヨーロッパの芸術史の中で疎んじられてきた肉体や女性性に注目するという骨太なコンセプトを根底に敷く。
もっとも、ミーハー気分でスターの作品に会いに行くというのも良いだろう(私のように)。

 

 

 

次回展覧会予告

メディテーション:真昼の瞑想(90年代の日本の美術)

メディテーション:真昼の瞑想出品予定作家:小林孝亘 杉戸洋 イケムラレイコ 舟越桂 戸谷成雄 富田有紀子 小山穂太郎 他 全14作家
会期:1999年7月11日〜9月26日
“内向的”な外見を持つ日本の現代美術の“つぶやき”や“ささやき”をすくい取り、奥にひそむエネルギーを考察するというコンセプトの展覧会。バラエティーに富んだメディアと作家を一望することができる見応えあるショーになりそうである。

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exhibitionレメディオス・バロ展

会場:伊勢丹美術館(新宿店新館8F)
会期:1999年6月10日〜6月25日
問い合わせ:03-3352-1111


レメディオス・バロ展 スペインからパリに渡ってシュルレアリスム・グループに参加し、メキシコ亡命後その詩的かつ魔術的な作風を確立した女性アーティストバロ(1908-1963)の日本初回顧展。妖しい画風が魅力的だ。
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exhibition大竹伸朗展:ZYAPANORAMA

会場:パルコギャラリー(渋谷パルコ パート1・8F)
会期:1999年5月28日〜7月11日
問い合わせ:03-3477-5873

大竹伸朗展:ZYAPANORAMA
日本各地を旅した大竹による日本景は、一筋縄ではいかない予感。
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exhibition目撃者:写真が語る20世紀

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷東急本店横)
会期:1999年6月11日〜7月25日
問い合わせ:03-3272-8600


目撃者:写真が語る20世紀 朝日新聞創刊120周年記念事業として行なわれる報道写真展。パリ万博から阪神大震災までカメラが捉えた20世紀の事件の数々が展示される。
しかし炎上する飛行船ヒンデンブルグ号が“カッコイイ”のは事実である。悲劇であっても。
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eventパゾリーニ映画祭

会場:ユーロスペース
   渋谷駅南口2分 JTB前さくら通り上がる
会期:1999年4月24日〜7月2日
問い合わせ:03-3461-0211


パゾリーニ映画祭スキャンダラスな作品テーマと彼自身の人生(75年に撲殺される)が伝説のように語られているパゾリーニの代表作14本を上映し、謎に包まれた鬼才監督の世界を探る。
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topicsバッファロー '66

監督・脚本・音楽・主演:ヴィンセント・ギャロ
会場:シネクイント(渋谷パルコ パート3・8F)
上映:1999年7月3日〜
問い合わせ:03-3477-5905


バッファロー '66パルコのCMで濃いギャロを見て印象に残った人も多いのでは。かつてバスキアとバンドを組んでいたこともあり、ミュージシャン、画家、モデル、バイクレーサーなどとしてマルチに活躍するギャロの初の映画作品。
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theatreナイロン100℃公演 「Take the Money and Run」

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:みのすけ 松永玲子 犬山犬子 他
会場:本多劇場(下北沢南口2分)
公演:1999年9月3日〜19日
  料金:前売 4200円 当日券 4500円
  前売開始:7月3日
  問い合わせ:03-3468-0030


ナイロン100℃公演また突っ走ってくれるかな。期待のナイロン公演である。 
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