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特集=万国博覧会
.貝島桃代

ハノーヴァーEXPO2000 建築レビュー [写真=塚本由晴]

 
キオスク スチールに針葉樹の合板貼り 電話ボックス ゴミ箱とエコカー
▲キオスク スチールに針葉樹の合板貼り ▲電話ボックス ▲ゴミ箱とエコカー
前夜
スイスのチューリッヒから車で7時間半かけて、やっと辿り着いたハノーヴァーは夜の1時すぎ。ハノーヴァー・エクスポ専用のインターをでると、まさに万博の真ん前である。この入口もエクスポのためにつくられたに違いない。
走ってきた照明のない真っ暗なアウトバーンとは対
称的で、金網の塀越しにみるexpo会場は、深夜であるにもかかわらず、ライトアップやサーチライトでまぶしい。環境博といわれる今回のエクスポだが明るいのだなと思う。
遠くには、オランダ館もみえる。
いよいよ会場へ出発
今年のドイツは冷夏だ。薄手のセーターがなくてはならないといった気候で、日本の夏休みとは全く違う感じ。いよいよ会場にむかう。われわれのホテルは会場の目の前なので、2、3分ほどで到着する。(ハノーヴァーの中心からの足であるジャスパー・モリソンのデザインしたトラムやスカイウォークを利用できないのは残念だ。)スカイウォークを降口の前にトラスに透明の膜のかかった屋根のあるゲート広場がある。チケット売り場として、その下に箱状の建物が置かれている。すでにハノーヴァー万博を見た友人からは、万博はどこもがらがらだといううわさを聞いていたが、それでも夏休みまっただ中ということか、今日は意外に人が多い。切符を買うためにも少し並ばなくてはいけなかった。チケットは1日利用券が約一般3000円。名刺サイズのカード式。この値段は日本だと当たり前のような金額だが、ドイツではちょっと高い。それが、ハノーヴァー・エクスポに人が入らない理由であるともいわれてる。広場ではエクスポ・マップと呼ばれる、各国語の地図が売られている。日本語版はなし。
広場から奥に進むと、サービスホールに入る。自動
改札が並んでいる。天井からドイツ鉄道の提供する卵型のモニターが吊られ、ちょっと未来的である。工場の後を利用した天井の高いこのホールのなかには、おみやげブースもあり、そこではTシャツやマグカップなども売っている。また各パヴィリオンにはスタンプを置かれているらしく、そのスタンプラリーをするための、ドイツのパスポートと同じカラーのエクスポ・パスポートも売られている。それぞれのパヴィリオンについて書かれたオフィシャル・ガイドもある。
約160ヘクタールの敷地に180ヵ国が参加し、153日間に渡って行われるエクスポ。工場跡地を利用し、周辺の緑地を取り込んだ全体計画で、エクスポ後、この場所は公園として再生される。会場は、西パヴィリオン地区、中央地区、テーマ館地区、東パヴィリオン地区の4つのエリアにわかれ、各々の地区の間には4つの庭が整備されている。また広大な会場を移動するために、シャトルバスと空中をケーブルカーが走る。レンタルの電気自動車もある。
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WHOのバルーン メインホール メインホールのマッサージチェア
▲伊東豊雄パヴィリオン WHOのバルーン ▲メインホール1 青い映像の時 ▲メインホール マッサージチェア

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