Sep. 10, 1996 Oct. 8, 1996

Art Infomation Index - Sep. 24, 1996


【イヴェント・ラッシュの秋のグラーツから"REMIX"】
 ……………………●四方幸子

Art Information Back Number Index



展覧会《Inclusion: Exclusion》
1996年9月11日-10月26日
ReininghausとKunstlerhausにて開催
シンポジウム "Post-colonialism and Global Migration"
1996年9月28日, 29日
PALAIS ATTEMS にて

フィルム・フェスティヴァル "Ici et Ailleurs/Hier und Anderswo"

1996年9月28日-10月10日
Schubertkino+KIZ - Kino im Augarten

ライヴ・イヴェント "Advanced Reality"

1996年9月20日-27日
Thalia Dance Hall

問い合わせ先:

steirischer herbst
Tel:
0316-823007
Fax:
0316-835788 
email:
stherbst@ping.at





steirischer herbst 96
http://www.stherbst.at/
index.html

ARS ELECTRONICA CENTER
http://www.aec.at/

Kendell Geers
Olu Oguibe's Guest of the Month
http://www.arts.usf.edu/
~ooguibe/guest.htm

Gary Simmons - Reference Page
http://www.artincontext.
com/listings/pages/artist/
n/1elyss7n/menu.htm

Fred Wilson - Reference Page
http://www.artincontext.
com/listings/pages/artist/
h/1ejxogbh/menu.htm

Fredroc Jameson: A Bibliography
http://sun3.lib.uci.edu/
~scctr/Wellek/jameson/

Globalization and Its Impact on Cities by Saskia Sassen
http://www2.uchicago.edu/
jnl-pub-cult/backissues/
pc19/sassen.html

イヴェント・ラッシュの
秋のグラーツから"REMIX"

●四方幸子



オーストリアのグラーツで、9/21から10/26まで、"steirischer herbst"というタイトルで、 数々の催しが開催される。「シアター/ミュージック・シアター」「ミュージック」「美術」「学際的プロジェクト/イヴェント」「セオリー」などタイトルごとにそれぞれ数イヴェントが揃う中、「REMIX」というタイトルがひときわ目をひく。
  「REMIX」では、アーティスティック・ディレクターであるクリスティン・フリジンゲリのもと、ポストコロニアリズムつまり情報や経済のグローバリゼーションや民族、文化の混淆に照準を合わせた展覧会やイヴェントの場が設定されている。

展覧会《Inclusion: Exclusion》

元フランクフルトのニューメディア研究所や リンツのアルス・エレクトロニカのディレクターで、それらのオーガニゼーションと決裂し、現在はグラーツの美術館のディレクターを務めるペーター・ヴァイベルのキュレーティングによる「ポストコロニアリズムと世界規模の移民」という時代における展覧会。
  ニューメディアから現代美術寄りのポジションに移ったものの、じつはメディア論からポストコロニアリズムという路線は、変革の60年代ウィーンにおいて「アクティオン・クンスト」を実践していた彼にとって当然の展開といえる気がする。
  アーティストは、マリア・テレーザ・アルヴェス、ルイ・シャフェス、ユーゴー・ドベール、ケンデル・ヒアースゲイリー・シモンズフレッド・ウィルソン、ロムアルド・ハゾウム、ヨンピン・ファン、ヨアヒム・シューフェルト、テレサ・セラーノほか。
  パリ在の中国人ファン・ヨンピン以外なじみのない名ばかりだが、これらのほとんどが移民であり、かつ西洋にとっての〈他者〉であることはまちがいないだろう。

シンポジウム "Post-colonialism and Global Migration"

フリジンゲリとともにペーター・ヴァイベル、またラカン理論を現代のマスカルチャーに適用したことで世界的先鋒とされるスラヴォイ・ジジェクが構想に関わったこのシンポジウムでは、19世紀そして20世紀に顕著になった植民地主義以降の民族移動のもたらしたグローバルな民族および文化の"REMIX"が多面的に検討される。
  パネリストはホミ・バーバ、フレドリック・ジェイムソン、アーネスト・ラクロウ、シャンタル・ムッフェ、レナータ・サレクル、サスキア・サッセン、イヴォ・ザニック、そしてジジェク。
  リュブリアナのサレクル、クロアチアのザニック以外はすべて米国で教鞭をとるが、その多くが米国以外の出身と思われる。

フィルム・フェスティヴァル《Ici et Ailleurs/Hier und Anderswo》

来年のカッセル・ドクメンタ10のコミッショナーであるフランス人、カトリーヌ・ダヴィッドのキュレーティングによる「ここそして他の場所で」という意味の映画フェス。
  パリという移民や亡命者によって文化を発酵させた都市のユダヤ系フランス人としてのダヴィッド、また世界的なグローバリゼーションの時代において、またドクメンタの前哨戦として、彼女の視点が問われることになるだろう。

上記のほか、ハードコア・レゲエ・ライヴ・イヴェント《Advanced Reality》などが行なわれる。

[しかた ゆきこ/美術批評家]

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