2019年06月15日号
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トピックス

CCGA現代グラフィックアートセンター「20世紀モダンデザインの誕生」:年表と映像とを組み合わせた鑑賞補助システムを導入

森﨑陵子

2014年08月01日号

 2014年7月5日から9月7日まで、CCGA現代グラフィックアートセンターにて「20世紀モダンデザインの誕生─大阪新美術館建設準備室デザインコレクション」を開催している。本展では、日本屈指のデザインコレクションを誇る大阪新美術館建設準備室所蔵のグラフィックデザインの名作を通して、1920〜30年代にかけての発展期から、1960年代の成熟期までを中心としたモダンデザインの流れを追っている。





 本展はモダンデザインの歴史を紹介する展覧会であり、出品作品の年代や国が広範囲にわたっているのが特徴である。そのため時代の流れのなかでその作品が置かれている位置や、作品相互の関連性などが鑑賞者にとって理解しづらいのではないかという懸念があった。
 そこで来館者の鑑賞補助を目的に、会場内の作品解説の充実やハンドアウトの配布などを展覧会の企画段階より検討していたが、それらに加えて会場内でも年表を掲示することになった。
 検討をした結果、より鑑賞者に興味をもって見てもらい、理解を深めてもらうことを目的に、年表の関連する項目と作品画像とを結び付けて見せられる、年表と映像とを組み合わせた映像年表を鑑賞補助システムとして導入することにした。


展覧会会場



会場内に設置した映像年表


 本展会場ではモダンデザインの歴史を8つの章に分けて、それぞれの章のなかで国やデザイン様式別に紹介している。それらはモダンデザイン誕生の前史の作品から、ロシア・アヴァンギャルドやバウハウスなどを経て戦後アメリカのグラフィックデザインまでの70年以上にわたるものである。これらの章は時代の流れにしたがって構成されている。




 そのような展示構成に合わせて、映像年表では縦軸を国別で区切り、横軸を年代としている。
 実際の映像コンテンツでは、各セクションの簡単な説明とともに出品作品の画像を数点ずつ見せていき、それと同時に年表内で関連する項目がハイライトであらわされる。つまりその作品が年表(=モダンデザインの流れ)のなかでどの位置にあるのかが一目でとらえられるようになっている。
 8つの章が順番にあらわれるが、4分強で一巡するようになっており、鑑賞者が飽きずに見られるボリュームにおさめるよう配慮した。
 また年表には一般情勢の項目も設け、日本国内のトピックスなどを掲載し、作品の時代性をより身近に理解しやすいようにした。


年表内の関連項目がハイライトであらわされる


 実際の展覧会会場では、年表の前に立ち止まりゆっくり見ている来館者の姿を見かける。その効果もあってか、来館者一人ひとりの展覧会の観覧時間、会場内での滞留時間が普段の展覧会と比べて長くなっているようで、展覧会をじっくり鑑賞している様子がうかがえる。
 実際に鑑賞した来館者からも、「あの作品とこの作品が同年代の作品だとわかって驚いた」といった声が聞かれ、興味をもって見ている姿が見て取れた。
 また、年表自体にも「アナログとデジタルの混合のようで面白い」といった感想があがり、おおむね好印象をもってもらえているようである。
 当館としてもこのような鑑賞補助システムの導入は今回が初めての試みであったが、鑑賞者が作品とじっくり向き合い、ほかの作品との関連性を考える一助となることを期待している。




20世紀モダンデザインの誕生─大阪新美術館建設準備室デザインコレクション

会期:2014年7月5日(土)〜9月7日(日)
会場:CCGA現代グラフィックアートセンター
   〒962-0711 福島県須賀川市塩田宮田1
   Tel. 0248-79-4811


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