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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.12. 2

ホームグランドIV

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県美術館側から千波湖越しにタワーを望む。今日も晴れた。冷え込みは一段と厳しい。


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色づく銀杏。


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車道では落ち葉が踏まれて道の模様となっている。

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終日芸術館で物書きをする。原稿にメール。
リトルモアの孫さんから「日比野克彦の一人万博」本に関する連絡があり、諸々確認し調整をとる。400数十頁となる本の姿がほぼ見えて確定したとのこと。月曜日に僕が提案した意見が反映されたものとなる。どんな感じのページ構成になったのか、う〜ん、見てみたい。良い本になる予感タップリ。


昨夜、ワインを浴びてよっぱらてしまったPCのマウスが一夜明けて朝から働くようになった。マウスがダウンしクリック指示が出せなくなるとPCはただの明るい箱となる。もう手も足でもない。本の雪崩に気をつけよう!正直、まじで真夜中に一人焦っていました。しなくてはならないこともあり、ふて寝するわけにもいかず。持ち歩きPCで難をしのいだけれどね。


今日のトピックスは、昨夜入っていた1通のメールに端を発する調整ごと。講評会を頼みますねと春言われていて、いつ頃だろうとおもっていたら、その件での事務的な確認のメールが入った。なんと間が悪いことに、絶対に外せない別件があって伺うことができない日。その旨を含めて、日程の連絡を受けておらず聞いていないのですがとレスを戻しておいた。その対応のための連絡。僕の対応可能な曜日を伝えて、先方が全体調整可能か探るという。さて、どうなることだろう。


明日・明後日は寒波襲来と脅かされている青森。そう長谷川孝治の「津軽」を見に行く。6時間の食事付きお芝居。はてさてどうなることか興味深々。長谷川ブログを読む限りでは順調そう。ま、そうじゃないと大変だろうし、ブログの書き込みができているのが何よりの証拠。てんぱっていたら書き込みもしてないだろうから。ヤバ、と言うことは、僕自身日比野展期間中てんぱっていたってことだね。


リトルモアの孫さんの電話は編集方針の変更にともなう内容と文字数の変更だったわけだけど、1万数百点からの選りすぐりの写真400枚強を並べて見ると、僕がベリーベリーショートの髪型(髪もないのに髪型とは変ですね。ま、頭の形丸出しの状態です。)の期間を回想することができる。システムトラブルの復旧が長引いたことを理由にブログを休刊していた間、たしかに僕は濃密な時間の真っ直中にいた。


マイアミのアートフェアーに参加しているキキカイカイに同行している松井みどりさんから、國方作品完売・好評とのメールが入る。彼女の分析では、キキカイカイのブランド力よりも國方自身の作品の魅力のゆえ。さまざまな表現が生み出され、受け入れられていく。保守と革新。その振れ幅の中に全てあるのだろう。


フルクサスのオリジナルメンバーである塩見允枝子著書『フルクサスと何か──日常とアートを結びつけた人々』(フィルムアート社)を読むと、アートがすべからく「態度」であり、その態度を見えるようにするコスチュームが「言葉」であることを改めて実感させられる。
そのことに気付き、「態度」と「言葉」を一人で準備し実践した昨今の日本人アーティストの一人が、キキカイカイを主宰する村上隆なのだろうなと理解している。國方は村上が主宰するGEISAIからデビューした新人であり、来年の松井・森が仕掛ける企画展の作家リストに含まれている。展覧会にも「態度」と「言葉」は必要であり、美術館運営にも「態度」と「言葉」は必要なものだ。


明日訪れる青森県立美術館がどのような態度を、どのような言葉で表明するのか、来年7月のオープンを前に、その発信が聞こえてくるのを楽しみ待っている。

Posted by 森司 at 00:16 | 雑記帳











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