現代詩人 吉増剛造による、舞踏家土方巽の肉体から放たれる特異な「声」からインスピレーションを得た個展が開催されます。
日本の原風景に響く声なき声の音、根、ネ ー。
それは瞽女や娘義太夫、イタコたちの小さな「音の根」=「ネノネ」です。
吉増剛造による書き下ろしの原稿や公開制作、土方巽に関する資料が展示されます。
ステートメント
多くの表現者が「小さな声」に耳を傾けることを創造性の源泉にしてきました。それは多様な人々の声を受け入れようとする現代社会で”ダイバーシティ”や”インクルージョン”といった考えが語られるずっと前からのことです。
詩人吉増剛造(1939-)は70年余の創作の過程で声なき声、音なき音、に耳を傾けそれを詩として書き記し朗読をすることをし続けてきた稀代の表現者です。
いま詩人が舞踏家土方巽(1928-1986)の声に再び呼び覚まされようとしています
土方巽もまた、暗黒舞踏という身体表現において、自らの言葉で語ることや、瞽女・娘義太夫・イタコといった日本の文化・芸能に流れる声や音を創作に取り入れることを試みていました。
詩人が舞踏家を通じて想像力の彼方に耳を澄ましている姿そのものが今回の展示の中心です。
期間中にはライブパフォーマンスも予定しています。『ネノネ』という言葉には「音の根」という意味がありそうです。彼らにだけ聞こえている小さな「音の根」を掘り起こしていくその身振り手振りを通じて、わたしたちにも様々な声や音が聞こえてくるのではないでしょうか。
「多様性がイノベーションの源泉だ」と大きな声で語ることよりも大切な感性として「小さな声を深く静かな水脈から汲み上げる力」を育むことがあるのではないでしょうか。吉増剛造先生による展示を開催出来ることを光栄に思います。
亀山 淳史郎 / SIGNAL主宰 / 株式会社SIGNING 取締役
関連イベント
MARYLIA x 吉増剛造 ライブパフォーマンス
日時|5/17(金)18:00開場、18:30開演
入場料|無料+1dirnkオーダー
小林康夫(東京大学名誉教授) x 吉増剛造 トークショー
日時|6/1(土)16:00開場、16:30開演
入場料|無料+1dirnkオーダー
*要事前予約。お申込はこちらをご覧ください。※定員になり次第締め切り
吉増剛造 写真:浅田政志 土方巽 写真:深瀬昌久
提供:慶應義塾大学アートセンター/NPO法人舞踏創造資源
スペシャルサンクス:深瀬昌久アーカイブス 浅田政志 Switch Publishing Take Ninagawa 鈴木余位 山本圭太
企画:SIGNAL x 岡本小百合
会期:2024/05/14日(火)〜2024/06/08(土)
会場:Social Issue Gallery SIGNAL(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
開館時間:火〜金| 11:00-23:00 カフェ&ギャラリー(18:00以降はバータイム)、土| 11:00-18:00 カフェ&ギャラリー
※日・月・祝日は休み
入場料:無料[東京都]
公式サイト:https://signing.co.jp/signal/