京都・BnA Alter Museumにて、「多声性のトーチ」が開催されています。
多声性とは、複数の独立した声部が同時に響き合うことをいう音楽用語であると同時に、自律した声とそれらが織りなす一に還元不可能な対話の様態を言います。またここでは、コトバであり声としての「多声性のトーチ」(たせいせいのとーち)を発音・発話することによって意味を得る・変容していく多義的な広がり、無数のズレ、決定不可能性とを意味しています。
本展では、国内外の文化的ネットワーク上で宗教美術・文化財伝世としての模写・手技が持つ感覚を追体験する正垣雅子、大量生産品によるモニュメンタルな対称的全体の中に隠匿された非対称的部分を体系的に可視化する香川裕樹、切り紙や言葉によって現在という歴史の中で抑圧する/される主体たちの匿名的な現れと対話をする青木きらら、視線とその先にある媒介物としてのモノを通して今ココの時間と記憶に転換を促す東畠孝子、地理的・社会的・心身的な辺境を通じて外部化された生存権を自己へと回帰させ拡張を試みる八幡亜樹、以上5組のアーティストによるインスタレーション作品が展開されています。
加えて、それぞれのアーティストが自作について語る音声ガイドも付属。この音声ガイドには、オリジナルサウンドトラックとして音楽プロデューサーで映像作家のseaketaによる、エコーや残響を特徴とするダブアンビエントを再解釈し制作された楽曲が収録されています。外の喧騒と作家の語り、この楽曲たちが響き合い展覧会を多声的に演出します。
<参加作家>
青木きらら(谷澤紗和子+藤野可織)、香川裕樹、正垣雅子、東畠孝子、八幡亜樹
会期:2024/10/26(土)〜 2025/5/11(日)
会場:BnA Alter Museum(京都府京都市下京区天満町267-1)
入場料:一般=1000円、大学生・大学院生=700円、高校生以下無料(音声ガイド付き)
休館日:会期中無休
企画:筒井一隆
主催:BnA Alter Museum
公式サイト:https://bnaaltermuseum.com/exhibition/polyphonictorches/