高知県立美術館にて、「ARTIST FOCUS」シリーズの第5回として、高知市出身の美術作家・三嶽伊紗の個展が開催されています。

三嶽は、視覚をはじめとした人間の認知能力や、事物の存在の不思議への尽きせぬ関心を、理知的かつ繊細な手つきによって、オブジェやインスタレーション、映像といった美術作品として昇華させてきました。

三嶽が手掛ける造形物の、検査器具や実験装置を彷彿させる抑制的な佇まいは、「当たり前にモノやカタチをつくらない」という姿勢に裏打ちされています。

本展のタイトルにある「ウツス」の語、ひいてはその読みの響きには、「移す/写す/映す」というそれぞれの言葉が持つ複数の意味が託されているといえるでしょう。

そこには、光学機器に像を結んだ風景も、太古の姿を今に留める植物の化石も、さらには眠りの中で見る夢でさえも、なにかを「ウツス」、ある種の映像であるという、三嶽の姿勢が反映されています。

関連イベント

■学芸員によるギャラリートーク
日時|1/18(土)14:00〜
会場|高知県立美術館1階 展示室D
*要観覧券・予約不要

■クロストーク
作家と担当学芸員による対談形式で、本展やこれまでの活動についてお話しします。
日時|2/15(土)14:00〜
会場|高知県立美術館1階 講義室
登壇者|三嶽伊紗、朝倉芽生(高知県立美術館学芸員)
*参加無料・予約不要

会期:2024/12/17(火)〜2025/02/21(金)
会場:高知県立美術館 1階 展示室D(高知県高知市高須353-2)
開館時間:9:00〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:12/27〜1/1
観覧料:一般=370円、大学生=260円、高校生以下無料
主催:高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)
公式サイト:https://moak.jp/event/exhibitions/artistfocus_05.html