東京・ポーラ ミュージアム アネックスにて、鈴木ヒラク「海と記号」が開催されます。
鈴木は、ドローイングの概念を拡張し、空間や時間に潜在する線を探求しています。世界各地の古代の洞窟壁画や路上の記号から、植物や鉱物、光の軌跡といった非人間の描く線の断片までをアーカイヴし、身体を通して再構築することで、「ドローイングの生態学」ともいえる独自の体系を生み出してきました。
本展の中心となるのは、深海や宇宙を想起させる瞑想的な青の背景に、シルバーで描かれた連作《海と記号》(2025)です。16点組の大型キャンバスが円環状に配置され、水中を漂う発光プランクトン、あるいは細胞分裂や超新星などを想起させる記号群が脈動します。光を反射するインクは、液体や粒子の飛沫となって広がり、ミクロな海洋世界とコズミックな視点が入れ替わりながら、生成と消滅の連続性を映像的に物語ります。また、考古学的遺物の写真をシルバーで塗り消し、架空の記憶を描き出す《Casting (Ocean)》(2025)や、新作映像インスタレーションもあわせて展示されます。
<鈴木ヒラク>
1978年生まれ。アーティスト。東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど各地で滞在制作を行なう。主な個展に『今日の発掘』群馬県立近代美術館(2023)がある他、これまでに金沢21世紀美術館(2009)、森美術館(2010)、銀川現代美術館(2016)、MOCO Panacée(2019)、東京都現代美術館(2019)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加している。
会期:2025/04/25(金)〜2025/06/08(日)
会場:ポーラ ミュージアム アネックス(東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3F)
開館時間:11:00〜19:00(入場は閉館30分前まで)
入場料:無料
公式サイト:https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html