フランスのキュビズムとイタリアの未来派に影響を受けた、1912−15年にかけてのモスクワを中心としたロシア・アヴァンギャルドの活動を指す。そもそもはV・マヤコフスキーらアヴァンギャルド詩人らを指して批評家K・チュコフスキーが用いた名称であった。その後マヤコフスキーの周辺にいた画家D・ブルリュークやさらにはL・ポポーヴァやK・マレーヴィッチといった造形作家に注目が集まるにつれて、これら造形作家を主に示すようになった。詩作品においては意図的に文法、語法を無視した後のダダを思わせるものが多いが、造形作品においては、F・レジェを模した機械の強調やG・ブラック的な断片的なイメージの再構成が特徴である。L・ポポーヴァやK・マレーヴィチはクボ=フトゥリズム期の実験を生かしてより抽象化を進めたシュプレマティズムへ移行した。
(苅谷洋介)
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