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「記号の森――表彰の危機に瀕する芸術」展 
A Forest of Signs: Art in the Crisis of Representation


1989年、ロサンゼルス現代美術館で開催。キュレーターはアン・ゴールドシュタインとメアリー・ジェーン・ジェイコブ。出品作家はバーバラ・ブルーム、ジェニー・ホルツァー、マイク・ケリー、ジェフ・クーンズ、シェリー・レヴィーン、ロバート・ロンゴ、アラン・マッカラム、シンディ・シャーマン、ジェームス・ウェリングなど。出品作品の大多数を、大衆消費社会特有のイメージやテクストを利用(あるいは盗用)した作品、つまり「表象によって表象批判をなす」作品が占める。カタログでは、レーガノミクスが80年代のアメリカにもたらした好況が、逆説的に高度資本主義社会に対するシニカルな態度を生み、それが広告イメージなどの(バブリーな)表象を用いるこれらの芸術に結びついたとされる。裏返せば、そうした背景=コンテクストについて、これ以上わかりやすく「説明してくれる」展覧会もほかにないだろう。展覧会のサブタイトル(「表象の危機に瀕する芸術」)といい、ポストモダニズムシミュレーショニズムの絶頂にして、すでに総決算といったふうな展覧会。

(林卓行)

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