1989年にニューヨークで草間彌生展を開催したアメリカ人アレキサンドラ・モンロ−をゲストキュレーターに迎えて、1994年2月5日から3月30日まで横浜美術館で開催された。その後、1995年にニューヨークのグッケンハイム美術館ソーホー館、サンフランシスコ近代美術館を巡回した。アメリカを巡回する初の大規模な日本の戦後前衛美術展だった。アメリカの日本現代美術に対する評価は、この展覧会によるところが大きい。
1986年にポンピドゥー・センターで開催された「前衛芸術の日本 1910-1970」展に比べて、具体からもの派の系譜を踏襲しつつも、身体、行為という観点から評価するという姿勢がさらに強化されている。土方巽の暗黒舞踏の映像などが話題となった。また、岡本太郎などの作品を展示しなかったことも論議を呼んだ。その他に特徴的だったのは、50年代を代表するものとして書とオブジェ陶芸を展示したことである。荒川修作をはじめとするアメリカに長期滞在している日本人が何人も取り上げられたが、もっとも重要な作家のひとりである河原温は出品を断った。80年代以降に関しては、パロディー的な社会批判を孕む、森村泰昌の《サイコボーグ22》(1994)のような作品を中心に取り上げた。
(三上真理子)
関連URL
●森村泰昌 http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/y-morimura.html
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