語源的にはギリシャ語のモノ「mono(単一の、一の)」とリトス「lithos(石)」に由来し、建築・彫刻用となる相当の大きさを有した一本石、一本石の柱などを指す。比喩的には統制された組織などをいう、いわゆる「一枚岩」などとしても使われており、類似した語として、ストーンヘンジなどの巨石または巨石建造物を指すメガリス(megalith)や、単一立石を指すメンヒル(menhir)などがある。造形としてのモノリスは、慣用的に石であるという属性を離れ、金属やガラス等を含めた一定の質感をもつ単一の素材によって構成され、かつ、そのフォルムから部分や不純な構成要素などが一切捨象されているようなミニマルな構造物としてイメージされる。こうしたイメージを源泉とするものに『2001年宇宙の旅』(1968、S・キューブリック監督、A・C・クラーク原作)を挙げることができるが、このイメージを50年代から60年代にかけてのミニマリズムやその後のR・スミッソンやR・セラなどの一連の「サイト・スペシフィック」や「サイト・ジェネレイテッド」と関連づけることも可能であろう。
(山中新太郎)
関連URL
●R・セラ http://www.artseensoho.com/Art/GAGOSIAN/serra96/serra1.html
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