1915年頃より、チューリッヒなどヨーロッパにおけるダダと同時並行的に、ニューヨークに起こったダダの一派。既製品の便器にサインをして作品とした《泉》などレディ・メイドで特に有名なM・デュシャン、エロティックな「機械」シリーズのF・ピカビア、さまざまなアーティストの活動を写真で記録するとともに、自らも絵画やナンセンスなオブジェを制作した写真家マン・レイなどが代表的人物。ヨーロッパのダダが数多くの「宣言」を発表し、強い政治性を持った集団的な運動であったのに対し、ニューヨーク・ダダには、そのようなグループ的な活動や政治性はなく、パトロンであった詩人W・アレンズバーグのもとでの純粋に芸術的な活動のゆるやかな集まりであった。1921年、デュシャンとマン・レイがパリへ渡り、翌年、アレンズバーグがハリウッドへ移ったことにより、運動は終焉した。
(鷲田めるろ)
関連URL
●M・デュシャン http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/m-duchamp.html
●マン・レイ http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/m-ray.html
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