1960年代、抽象主義に反抗してニューヨークを中心に生まれた美術と、50年代からのロンドンの活動がある。アメリカン・コミックスを拡大して描くR・リキテンスタイン、《キャンベル・スープ》のA・ウォーホル、そしてT・ウェッセルマン等が代表例。従来の芸術が保ってきた、ある種の品格・聖性を、きわめて日常的なイメージに置き換えたニューアート。表現の題材やイメージを徹底して大衆社会の世俗性に求めている。ブリティッシュ・ポップが芸術論的だったのに対し、アメリカのそれは、反芸術的な志向のもとに新聞漫画、商業デザイン、映画のスティール、テレビなど、大衆社会のマス・メディアのイメージを積極的に主題に取り上げた。その明確で強固なスタイルゆえに一世風靡したが、やがて次代のラディカリズムであるミニマル・アートに乗り超えられて、前衛芸術としては急速に衰退していく。R・ヴェンチューリ、アーキグラムなど、当時の建築家たちの方法に影響を与えた。
(福若郷子)
関連URL
●リキテンスタイン http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/r-lichtenstein.html
●ウォーホル http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/a-warhol.html
●ハミルトン http://www.dialnsa.edu/iat97/Documenta/hamilton.html
●アーキグラム http://www.archigram.co.jp/
●ヴェンチューリ http://www.greatbuildings.com/gbc/architects/Robert_Venturi.html
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