1960年代末のフランスで起こった芸術運動。南仏を主な舞台とし、C・ヴィアラ、D・ドゥズーズ、V・ビレウスら現地在住のメンバーに、後にパリのL・カーンやM・ド=ヴァドらが合流した。「支持体/表面」という意味に相当する運動名は、70年にパリで初めて開催されたグループ展の名称に由来しているが、以後この名称で展覧会が組織されたのは4回に過ぎず、わずか数年のうちにあえなく終焉を迎える。作品制作を社会的現実のなかに位置付けようとするその試みは、いわゆる68年の「五月革命」からの強いインパクトを孕みつつ、作品自体の性質は「もの派」や「アルテ・ポーヴェラ」といった同時代の他の美術運動との深い関連も想起させる。91年にパリのサント=エチエンヌ美術館で開催され、93年に日本にも巡回した「シュポール/シュルファス」の回顧展は、しばらく忘れ去られていたこの動向にあらためてスポットを当てる好機となった。
(暮沢剛巳)
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