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展覧会レビュー

村田真 原久子

測距儀−遠景の座標− 三嶽伊紗展
2/7〜27 京都芸術センター/ギャラリー北・南[京都]
 
  作品の物質感は希薄なのに、存在を強く知覚できる作品をつくる三嶽伊紗。京都芸術センターの中庭を挟んでコの字型の建物の両端にあるギャラリー北と南の2つのギャラリースペースを使った公募のプランに彼女が提案したのが今回の個展だ。設置されたそれぞれモノとの位置や距離を手がかりにし、それらの関係性のなかに多くの事柄を示唆した興味深い展覧会だった。
[2月16日(土)原久子]
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コンサート「『画家の仕事』とその周辺」
  2/16 京都芸術センター/講堂[京都]
 
  作曲家フランシス・プーランクによる20世紀の画家たち(ピカソ、シャガール、ブラックなど)へ贈られた歌曲集『画家の仕事』。井上明彦が美術を担当。曲は今一つピンとこなかったが翻訳された歌詞を読むと面白みが伝わってきた。
[2月16日(土)原久子]
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モネ展
2/20〜4/14 川村記念美術館[千葉]
 
 
モネ展
モネ晩年の睡蓮の連作に絞った30数点の展示。これらはいずれも斜め上から池を見下ろす角度で描かれており、モチーフは水面に浮かぶ睡蓮と樹影だけで、地平線も水平線もない。実はこれらはパリのオランジュリー美術館を飾る大壁画の習作で、見せたり売ったりするものではなかったという。そこが評価の分かれ目だろう。モネの死んだ翌年(1927)に公開されたオランジュリーの壁画はあまり評判がよくなかったらしいが、その後50年代と80年代に再評価されたように思う。50年代は抽象表現主義の全盛期でMoMAが睡蓮の大作を購入80年代は新表現主義の全盛期で、81年には西武美術館が「睡蓮への道」と題するモネ展を開いた。ちょうど30年周期で時代はめぐっているようだ。
[2月19日(火) 村田真]
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映画「フィラメント」試写会 辻仁成(原作・脚本・監督)
  日本ヘラルド試写室[大阪]
 
 

アーティスト森村泰昌はすでに蜷川幸雄の演出による芝居『パンドラの鐘』で女優家としても舞台を踏んでいるが、このたびは俳優として辻仁成監督の映画『フィラメント』に出演。森村氏が映画の撮影に入っているということは、随分まえに聞いていたので、試写会の案内をもらったときも、さほど驚くこともなかった。彼の役どころは、妻が若い男を駆け落ちして、男やもめとなったちょっとくたびれた感じの写真館の親父さん。でも、夜になるとビシっと女装をきめて街角に立つ。そんな父をもつ兄妹は大沢たかおと井川遥。森村の好演がしっとり光っていた。
[2月19日(火)原久子]

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ワコーレマンションギャラリー甲子園口
 
 
ワコーレマンションギャラリー甲子園口 ワコーレマンションギャラリー甲子園口02
アートスペース虹は毎年この人、堀尾貞治の個展で始まる。今年はなんと足で絵の具を蹴散らして描く白髪一雄の真似(?)に挑戦。画廊の中央にとりつけたロープにぶら下がって、足で印刷用の墨色(黒)インクを蹴散らすパフォーマンスを初日にやったという。向い合う2つの壁に展示された紙をみて、堀尾のこの手の作品は「行為」が重要で、目の前にあるモノはその記憶をとどめた残骸にすぎないと思った。
[2月21日(木)原久子]
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岩橋英遠展
2/12〜24 日本橋三越7階[東京]
 
 
岩橋英遠展
英遠て名前しか知らなかったけど、日本画家のなかでは群を抜いて理系である。96歳の長寿をまっとうしたところはいかにも院展系の日本画家らしいが。戦前は都市風景や抽象形態も描いていたが、戦後はもっぱら自然、それもありがちな動植物系ではなく、もっと知的で硬派な(?)鉱物系や現象系に走っている。とくに滝や火山、雲がいい。オーロラやブロッケン現象もあるぞ。北海道出身の大陸気質か。富士山だって大観が趣味で描いたような富士とは違って蝦夷富士(羊蹄山)だし。
[2月22日(金) 村田真]
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コレクター石橋正二郎
  1/8〜3/21 ブリヂストン美術館[東京]
 
 
コレクター石橋正二郎
ブリヂストン美術館開館50周年を記念して、創設者・石橋正二郎のコレクターとしての軌跡を振り返る興味深い展覧会。石橋は足袋の裏にゴムを貼りつけた地下足袋で大もうけし、車のタイヤに侵出した実業家。最近では、「ブリヂストン」が「石橋」を逆にした英語名であることを知らない若者もいる。アメリカの現地法人「ファイアストン」はいまや「火の車」だ。関係ないか。彼は1930年ごろから同郷の青木繁や坂本繁二郎らの作品を買い始めたが、コレクションが急増するのは、おもに戦中・戦後の混乱期に日本人コレクターが手放した西洋絵画を買い取るようになってから。先輩の松方幸次郎なんかに比べりゃちゃっかりやっている。出品作品はブリヂストン美術館(および同じ財団の石橋美術館)のコレクションばかりだから目新しいわけではないけれど、展示は購入時代別に再編されていて、初期のコレクションに大観の富士の絵があったのには驚かされた。今月は大観を血祭りにあげるか。石橋家を描いた北蓮蔵による肖像画「石橋正二郎とその家族」もレアもの。一家7人がてんでばらばらに笑っていて薄気味悪い。
[2月22日(金) 村田真]
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Beyond Paradise: Nordic Artists Travel East 展
  2/16~3/29 National Gallery of Art, About Studio/About Cafeほか[Bangkok(タイ)]
 
 
Beyond Paradise : Nordic Artists Travel East 展
タイに来たというのに、いきなり写真やビデオなど映像の作品を中心とした北欧の24人のアーティストたちを含む巡回展を見ることに。4カ所で展示が行なわれており、渋滞の多いバンコクの街で移動してゆくだけでも至難の技。でも、4カ所とも面白かったので文句は言いません。
[2月23日(土)原久子]
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