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アクション

Action
更新日
2024年03月11日

1922年10月に二科展、中央美術展などに出品していた若手画家たち、神原泰、中川紀元、海老原喜之助、矢部友衛、古賀春江、浅野孟府、吉田謙吉ら13人が結成した美術団体。翌年4月に三越呉服店で第1回展を行ない、神原泰による「『アクション』同人宣言書」を発表した。同宣言は「私達は明快な意識と、確実な信念によって芸術の第一線を、勇ましく、快活に、自由に、しっかりと、足ふみしめて歩こうとする青年である」という言葉から始まる健康的なもので、同年7月の「マヴォの宣言」に見られる破壊的な宣言とは対照的な意識を示している。同年9月にはアクションの有志が、東京美術学校図案科卒業生を中心とする尖塔社の有志とともにバラック装飾社を結成し、関東大震災直後に建てられた仮設住宅の壁面や内装に抽象的な絵画を描く活動を行なった。24年4月に第2回展を同じく三越呉服店で開催した後、長野県松本市にも巡回。しかし同年10月には二科展で中川と古賀らが会員・会友に推挙された一方で、神原と中原らが落選したことで、内部分裂し、解散した。

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参考文献

『大正期美術展覧会出品目録』,東京文化財研究所編,中央公論美術出版,2002
『大正期新興美術運動の研究』,五十殿利治,スカイドア,1998
『大正期新興美術資料集成』,五十殿利治ほか編,国書刊行会,2006