アフォーダンス
- Affordance
- 更新日
- 2024年03月11日
アメリカ合衆国の生態心理学者J・J・ギブソン(1904-79)による造語。動詞「afford(与える、提供する)」に由来し、人間を含めた動物が、外部環境から「意味」を受け取るその様態のことを指す。最晩年に発表された主著『The Ecological Approach to Visual Perception(視知覚への生態学的アプローチ)』(邦訳=『生態学的視覚論』)において、ギブソンは従来の知覚心理学において採用されていた「刺激」概念とは異なる画期的な考え方を採用した。刺激が環境から動物に与えられるという「刺激」モデルに対し、動物が環境に働きかけることで意味を獲得するというこのモデルこそが、今日の「アフォーダンス」概念の起源である。このギブソンの「アフォーダンス」概念は、日本では特に佐々木正人の著作を通じて人口に膾炙した。今日、「アフォーダンス」をめぐる理論は狭義の生態心理学の枠組みを超え、アート、デザイン、レイアウトなどさまざまな分野における応用の可能性が喧伝されている。
補足情報
参考文献
『生態学的視覚論 ヒトの知覚世界を探る』,J・J・ギブソン(古崎敬ほか訳),サイエンス社,1986
『レイアウトの法則 アートとアフォーダンス』,佐々木正人,春秋社,2003