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アート・ステューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク

Art Students League of New York
更新日
2024年03月11日

アート・ステューデンツ・リーグは、1875年に国立デザイン学校(National Academy of Design)のアーティストたちによって、ニューヨークにつくられた学校および美術家組織である。創立当時、アートシーンの中心はまだヨーロッパであり、アメリカは何万人もの移民がヨーロッパ各地から移り住むような「新しい」場所であった。そこでアーティストによりアーティストを育成するのための教育機関を目指し、大学とは異なり入学試験はなく、自分が望むコースで実技を学んだり、技術や知識を共有することができる場として、アート・ステューデンツ・リーグはつくられた。1920-30年代になると、のちにアメリカ国内で高い評価を得る画家のジョン・マリン、動く彫刻「モビール」で世界中に知られることになる彫刻家のアレクサンダー・カルダーらが入学し、日本からも高村光太郎や国吉康雄らが留学した。やがて、日に日に変わりゆくアメリカの光景を表現したアメリカン・シーンのペインターや、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコといった抽象表現主義の作家を生み出し、アメリカの、ひいては世界のアートシーンが生まれる場として知られていくようになった。現在では、ドローイング、絵画、彫刻、版画や子ども向けのコースや、アーティストによるワークショップなどが開かれている。ルイーズ・ブルジョワやアイ・ウェイウェイといった、現代美術の第一線で活躍するアーティストも多く輩出しており、アメリカでも老舗のアート・スクールとなっている。

著者

補足情報

参考文献

「ザ・風景 変貌する現代の眼」展カタログ,名古屋ボストン美術館,2010
「モダン・アート、アメリカン 珠玉のフィリップス・コレクション」展カタログ,国立新美術館,2011