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更新日
2024年03月11日

一般的には「指標」「目録」「索引」などを意味する。美術批評などにおいてこの概念が用いられる場合、Ch・S・パース(1839-1914)やロザリンド・クラウス(1941-)の議論が念頭に置かれていることが多い。
19世紀アメリカの哲学者であるパースは、記号を「イコン」「インデックス」「シンボル」に分類し、インデックスはその指示対象と「物理的かつ直接的な」結びつきを有する記号であるとした。その際パースは、「インデックス」の代表的な例として写真を挙げている。なぜならば、ある対象の光学的な痕跡としての写真は、その対象のイメージを喚起するだけでなく、指示対象そのものとの物理的な対応関係を有しているからである。ちなみに、パースにおいて「イコン」「シンボル」はそれぞれ類似的な記号、象徴的な記号に対応している(それゆえ、写真はパースが言うところの「イコン」に含まれるのではないか、という反論もある)。20世紀後半には美術批評家ロザリンド・クラウスが、このパースの議論を援用しつつ自身の議論を展開する。クラウスはパースを敷衍しつつ、写真は本質的にインデックス的な性格を有しているとして、イコン的な性格を有する絵画からそれを明確に区別する。さらにそのうえでクラウスは、さまざまな作品のなかから「現実との対応関係」において機能する記号を抽出し、それをパース的な「インデックス」の観点から分析した。

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参考文献

『オリジナリティと反復──ロザリンド・クラウス美術評論集』,ロザリンド・E・クラウス(小西信之訳),リブロポート,1994
『パース著作集2 記号学』,Ch. S. パース(内田種臣訳),勁草書房,1986