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オークション

Auction
更新日
2024年03月11日

「せり売り、競売」のこと。オークションにかけられた物品を巡って、それに支払われる対価を購入希望者間で競うというのが一般的な形式である。美術品のみならず、生鮮食品から不動産に至るまでさまざまな物品を対象としたオークションが存在し、またその形式も多様である。例えば公官庁で行なわれる入札なども、オークションのひとつである。美術品に関するオークションの歴史は、17世紀頃から美術品の需要の拡大とともにはじまったとされている。18世紀になると、現在でも美術品の大手オークションハウスの老舗として有名なサザビーズやクリスティーズが誕生する。19世紀以降には、ブルジョワ階級の社会的台頭により家庭内で飾られる絵画作品の需要が高まり、それに合わせて、特にフランスやイギリスを中心に、個人コレクションの流出や芸術家自身による売立て、また画商の仲間内での作品流通のためなど、さまざまな理由からオークションが頻繁に開催されるようになった。現在においても大まかにその流れを汲んでいるが、既述の大手オークションハウスは、現在では世界中のあらゆる都市に支店を持つまでに成長し、美術品オークションも経済のグローバル化と足並みを揃えるように出品作品、購入希望者、開催地などの多国籍化が進んでいる。大規模なオークションともなるとその結果がTVなどのマスメディアを通じて報じられたりするが、それらは美術品の海外流出並びに所蔵先や価値の決定などに大きな影響を及ぼしている。

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