化学繊維
- Chemical Fiber
- 更新日
- 2024年03月11日
天然繊維に対しての人造繊維の総称。レーヨンなどに代表される自然素材由来の再生繊維、アセテートなど天然の高分子に合成反応を行なった半合成繊維、化学薬品を原料として高分子化合物を作る合成繊維の三種類がある。再生繊維だけを化学繊維と呼び、その他を合成繊維(合繊)と呼ぶこともある。また、ナイロン、ポリエステル、アクリルを三大合成繊維と呼ぶこともある。第二次世界大戦前から日本においても化学繊維の開発は盛んで、特にレーヨンは開発が早くから進んだ。戦時中にレーヨンの短繊維(ステープル・ファイバー)は「スフ」と呼ばれ、多くの衣料に用いられた。その後、諸外国で開発された繊維が次々と輸入された。特に1950年代の東レと帝人によるポリエステル繊維の導入競争は有名で、「テトロン」という商標のもと販売されて、熾烈な広告キャンペーンが展開された。80年代の終わり頃には、既存の化合技術を改良することで新しい風合いを開発することが目指され、「新合繊」と呼ばれた新商品が作られた。それが飽和状態になると、ストレッチ性、保湿性、保温性、吸汗性などの機能を付加された「新新合繊」が開発されるようになった。近年では、トウモロコシなどのでんぷん質から再生繊維を作り出すエコロジー素材の開発が注目されている。