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金沢21世紀美術館

21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
更新日
2024年03月11日

2004年10月に金沢市中心部に開館した、「まちに開かれた公園のような美術館」を基本理念に同時代の美術を紹介する公立美術館。宇宙から飛来した円盤のような形から「まるびぃ」の愛称を持つ。(1)1980年以降に制作された新しい価値観を提案する作品、(2)1の価値観に大きな影響を与えた1900年以降の歴史的参照点となる作品、(3)金沢ゆかりの作家による新たな創造性に富む作品という収集方針のもと、164作家、約3,500作品を収蔵。レアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》(2004)や無料で体験できるジェームズ・タレルの《ブルー・プラネット・スカイ》(2004)など、恒久展示作品が人気を集めている。パーティションを立てずに展示できるよう、学芸員と建築家、行政が意見交換を行ない、さまざまな大きさ、形の展示室が用意されている。設計はSANAA(妹島和世+西沢立衛)で、コンセプトは多方向性、水平性、透明性。4つの出入口を持つ円形の建物に、展示室やキッズスタジオ、市民ギャラリー、多目的シアターなどをほぼ水平に配置してまちのような広がりをつくり、外壁や壁面にガラスを多用することにより各施設、美術館の内と外を緩やかにつなげ、まちに連続していく空間を創出している。SANAAはこの建物等で、04年ヴェネチア建築ビエンナーレ展示部門金獅子賞を受賞。入館者数は年間約150万人、開館10年(2014年9月末)で延べ1,458万人を超え、国内外からの評価が高い。2015年度には、3月の北陸新幹線開通の追い風を受け237万2,821人を記録し、全国の約500のテーマパーク、遊園地、動物園、水族館、ミュージアムのなかで1位となった(綜合ユニコム調べ)。

補足情報

参考文献

『みんなの「金沢21世紀美術館」 楽しい!感動!愛蔵版ガイド』,主婦と生活社,2008
『美術手帖』増刊号,「21世紀のミュージアムをつくる 金沢21世紀美術館の挑戦」,美術出版社,2004