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構造社

Kozo-sha
更新日
2024年03月11日

昭和戦前期の彫刻団体。1926年9月、帝展の彫刻部に参加していた斉藤素巌と日奈子実三が、単に裸婦像を繰り返し制作していることに飽き足らず、彫刻と建築の総合を目的として結成した。同年に加わった陽咸二の作品に象徴されるような、新しい都市空間の感覚を反映したキュビスム風、アール・デコ風の抽象的な彫刻作品、プロレタリア美術運動にも共鳴する労働者の姿や社会風刺的なテーマの彫刻作品も目立った。また、構造社を率いる斉藤は、群像、浮彫、建築装飾、記念碑、図案工芸、商業美術などにも注力して「彫刻の社会化」を目指したといわれる。28年には絵画部を設置し、29年の第3回構造社展からは「綜合試作」と称する会員の共同制作による大規模な建築模型のモニュメントを発表していた。そこではさらに建築の内部で用いられることを想定した香炉などの工芸的な作品も出品され、彫刻から建築・工芸へと展開する動きを示した。35年に帝展改組に伴って絵画部は解消し、日奈子は退会して第三部会(後に国風彫塑会と改称)を設立した。その後、彫刻部だけの団体となった構造社は44年まで存続した。

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補足情報

参考文献

「日本彫刻の近代」展カタログ,淡交社美術企画部編,淡交社,2007
「構造社 昭和初期彫刻の鬼才たち」展カタログ,宇都宮美術館,キュレイターズ,2005