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商標/トレードマーク

Trademark
更新日
2024年03月11日

特定の商品やサービスに使用される文字や図形。商標法では、商標は「業として商品を生産したり役務を提供したり等する者(事業者)が使用する標章」とされ、標章は「文字、図形、記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合またはこれらと色彩との結合」と規定されている。商標の起源は古く、商品の出所を特定するために標章として使用された、紀元前2000年頃にまで遡ることができる。商標という言葉自体の成立は、取引が成熟した中世といわれる。現代では、商標は個々の会社の製品を識別可能にするものであり、ビジネス上の重要な資産とみられている。商標の機能には、事業者が自己の商品やサービスを他人のそれと区別する自他商品識別機能、商品やサービスの提供者を明らかにする出所表示機能、商品やサービスの質的な均一性を保証する品質保証機能、商標が大量に使用されることによって生じる広告宣伝機能などがある。また、その構成によって、文字だけからなる文字商標、図形からなる図形商標、記号からなる記号商標、これらを結合した結合商標、さらに立体物を対象とした立体商標がある。商標を特許庁に申請し登録されると商標権が発生する。商標権によって独占的に商標を使用する権利が認められ、他人の使用を差し止めたり損害賠償の請求を可能にするだけではなく、他人の使用を承諾してその対価を得ることもできる。商標権による保護期間は10年間、更新も可能。

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補足情報

参考文献

『商標法』,平尾正樹,学陽書房,2006
『知的財産権事典 第3版』,半田正夫、牧野利秋、盛岡一夫、角田政芳、三浦正広編,丸善,2007
『知的財産プロフェッショナル用語辞典』,TMI総合法律事務所編著,日経BP出版センター,2010