昭和40年会
- The group 1965
- 更新日
- 2024年03月11日
1994年、アートフェアNICAFの会場で会田誠、小沢剛、大岩オスカール、松陰浩之らが全員昭和40年生まれであることを互いに知り、それを理由に結成した美術家グループ。メンバーチェンジを繰り返しながら同年生まれの作家5人程度で活動を継続している。会名は里見勝蔵らが組織した「1930年協会」や日動画廊主催の公募展「昭和会」などのパロディともとれるが、そもそもアーティストが団結するという行為や「昭和」のネーミング自体に、90年代日本の現代美術の底流をなす斜に構えるナンセンス志向の態度とシニカルなレトロ趣味が現われている。国内外でのグループ展やイヴェント、メンバー全員によるヴィデオ作品制作などは行なわれているものの、会独自の表現を打ち出そうとする意思はもともと薄い。個人活動を基本としたゆるやかな集まりであり、前衛華やかなりし頃は活発であったグループ結成という形式のシミュレーションであるといえる。会結成の事実に意義が与えられているという意味では、このように辞典に会名が登録される事態そのものが彼らの活動の延長にあるともいえるかもしれない。
補足情報
参考文献
『昭和40年会の東京案内』,Akio Nagasawa Publishing,2008
『昭和40年会 東京からの声』,昭和40年会編,現代美術製作所,1998