スピン・オフ
- Spin-off
- 更新日
- 2024年03月11日
本来、「スピン・オフ」とは、ひとつの閉じた(完結した)事柄から、付随的に生み出される事象、副産・副次的なモノやコトを指す用語である。例えば科学技術の分野では、国家的、政策的、軍事的な目的や、極めて特殊な研究のために開発されたテクノロジーやプロダクトを、民間、一般市場に転用する場合、それらは「スピン・オフ」と呼ばれる。デザインにおいては、プロフェッショナル、あるいはアカデミックなユースを大衆的に敷衍したもの、つまり「それらしいスタイル」を享受できるものとして捉えられ、プロフェッショナルな仕様やスタイリングに憧れを抱く一般ユーザーの購買意欲を刺激するものとして展開される。一例として、業務用の台所機器や工具を模したプロダクトが一般家庭において生活を彩るものとして使用される状況がある。このような動向は、スピン・オフのブランディングを形成し、より「熱い眼差し」を注ぐ「○○マニア」たちによってコアな市場がもたらされる。1970年代にブームとなった「ハイテク・スタイル」は、まさにスピン・オフのスタイリングが様式化したものだ。