世界堂
- Sekaido
- 更新日
- 2024年03月11日
世界堂は東京・新宿に本店がある画材・文具販売店である。世界堂の由来は1873年に御徒町に開業した荘士額縁店である。1940年に新宿2丁目に移転し、世界堂に改称した。額縁店を起源としているためか、60年頃までの世界堂の広告には「額縁店」「額縁は世界堂」などの見出しがつけられていた。第二次世界大戦後は、横田、座間、横須賀などの米軍基地内に店舗を開設し、本国に帰還する米国兵に日本の文具や日本画を販売していた(今日では閉店している)。69年に池袋パルコ店をオープンしたのを皮切りに、首都圏を中心に多数の店舗を展開していった。90年に本店で火災があり、保管していた絵画などに大きな被害が出たが、その後94年に9階建ての新本社・本店ビルを構えた。世界堂のモットーのひとつに「より良い品をより安く売る」があり、創業間もない頃から画材の割引販売を行なっていた。これは画材の販売業者では異例に早く、小売全体でも最も早期の例のひとつである。特に美術大学の人気が高まった60年代以降は、世界堂の割引販売が画学生の支持を集め、画材販売の最大手へと成長する原動力になった。世界堂を画材店として独特な地位にしているものに、驚いた表情をしたモナリザの看板がある。これは74年に東京国立博物館で《モナリザ》特別展示が行なわれた際に、来日したモナリザが世界堂の安さにびっくりしたという設定で描かれたもので、『美術手帖』74年3月号の広告に初登場して以来、世界堂のシンボルになっている。今日でもこのモナリザは使用されており、2011年9月には本社ビル外壁にLEDライト付きの巨大なモナリザ像が登場した。