装飾美術協会
- Les Arts Décoratifs
- 更新日
- 2024年03月11日
「装飾美術協会」とは、1882年にパリで設立され、現在も存続するフランスの美術館連合組織である。リヴォリ、モンソー、ラスパイユという三つの地区に多くの施設を有し、特にリヴォリ地区(ルーヴル美術館の隣り)には、装飾美術館、服飾・染織美術館、ポスター美術館、装飾美術図書館など、重要な施設が集中する。その膨大なコレクションは、19世紀末のアール・ヌーヴォーの流行とともに、装飾美術(デザイン)に対する興味が高まったことを受けて、この領域の個人コレクターが集まり、公的な組織づくりと作品の寄贈を行なったことを始まりとしている。最大級の装飾美術館は、中世から現代まで、あらゆる種類の装飾美術品、美術工芸品、そしてプロダクト・デザインを網羅し、フランス以外の国・地域のコレクションも所蔵するが、何と言っても「目玉」は、パリに花開いたアール・ヌーヴォーとアール・デコに関連するものである。ラスパイユ地区には、エコール・カモンド(デザイン・スクール)、また、三つの地区すべてに、ワークショップ活動のためのアトリエがあり、協会をあげて美術工芸とデザインの教育普及、次世代の専門教育に力を注いでいる。なお、もともと組織名は「Union centrale des arts décoratifs(装飾美術協会連合)」だったが、2004年に現在の「Les Arts Décoratifs(装飾美術協会)」に改名した。