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卒業設計日本一決定戦

Sendai Design League diploma design in JapanShootout
更新日
2024年03月11日

2003年から毎年3月に開催されている、日本の大学、専門学校で学んだ建築学生による卒業設計作品のコンペティション(設計競技)。全国から集められた卒業設計作品をパネルと建築模型で展示する「せんだいデザインリーグ(SDL)」の一環として始まったもの。SDL2013では応募作品数(登録数)が600点、来場者数が6,000人を超えるなど、類似の全国規模の卒業設計展に比べて規模が大きく、注目度も高いため、しばしば「卒業設計の甲子園」とも呼ばれる。建築家の大西麻貴(1983-)が学生時代にSDL2006で入選したのをはじめ、若手建築家の登竜門のような位置づけにある。運営を担当するのは、東北大学や宮城大学など仙台周辺の大学に所属する学生らが組織する「仙台建築都市学生会議」。コンペティションは、まず、応募作品のなかから100作品が予選審査で選出され、その後、5-6名の著名建築家による公開審査を経て、日本一位〜日本三位、特別賞が決められる。応募作品の展示と日本一を決める公開審査は、2008年までは伊東豊雄(1941-)による《せんだいメディアテーク》(2000)にて開催されていたが、出展作品と来場者数が増加したことによって、現在、公開審査の舞台は本イベントの仕掛け人でもある阿部仁史(1962-)がリノベーションを手がけた《東北大学百周年記念会館川内萩ホール》(2008)に移されている。大学院生による修士設計/修士論文を対象とする類似の全国規模のイベントとしては、「トウキョウ建築コレクション」がある。

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参考文献

『せんだいデザインリーグ2013卒業設計日本一決定戦』,建築資料研究社,2013
『ねもは02+すばらしい建築プレゼンテーションの世界』,「ゼロ年代卒業設計論─『建築』へのプレゼンテーションめざして」,加藤拓郎,ねもは編集部,2011
『卒業設計で考えたこと。そしていま (建築文化シナジー) 』,五十嵐 太郎編,彰国社,2005
『卒業設計で考えたこと。そしていま〈2〉 (建築文化シナジー)』,五十嵐 太郎編,彰国社,2006