タイポグラフィ
- Typography
- 更新日
- 2024年03月11日
原義は、活版印刷ないし活版印刷術のことであり、テキスト情報を印刷物にまとめあげる一連の技能をいうが、転じて、活字書体を中心的に取り扱ったデザインワークもタイポグラフィ(タイポグラフィックワーク)と呼ばれる。大きくは、長文の可読性を重視する(ボディ・タイプによる)タイポグラフィと、雑誌やポスターにおける造形性を重視する(ディスプレイ・タイプによる)タイポグラフィの、二つの異なるベクトルが認められる。原義に従えば、グーテンベルク以来の歴史を有することになるが、モダンデザインの視点からは、ヤン・チヒョルトによる『ノイエ・テュポグラフィ』の刊行、スタンリ・モリスンによる英国モノタイプ社における復刻を含む新書体の開発、ヨーゼフ・ミューラー=ブロックマンを中心とするインターナショナル・タイポグラフィの推進、ハーブ・ルバーリンのITC(International Typeface Corporation)での活動、ネビル・ブロディやデイビッド・カースンのエディトリアルワークが、さらに今日的視点からは電子技術を背景に持つPostScript、Tex、OpenType、ePubなどの規格開発が注目される。また、ロバート・インディアナの《LOVE》や五十嵐武暢の一連の「architectural alphabets」などにタイポグラフィックな構築意識を認めることも可能である。
補足情報
参考資料
The Elements of Typographic Style(ver. 3.2),Robert Bringhurst,Hartley & Marks,2008
Typography Now: The Next Wave,Rick Poynor,Edward Booth-Clibborn,Why Not Associates,Booth-Clibborn Editions,1992
The Complete Manual of Typography,Felici James,Adobe Press(2nd ed.),2011