豊田市美術館
- Toyota Municipal Museum of Art
- 更新日
- 2024年03月11日
1995年11月に豊田市市街地を見下ろす高台に開館した、近・現代の美術とデザイン作品を収蔵する公立美術館。国内外の現代美術を積極的に紹介する企画展により、地方にありながら全国から美術ファンを集めている。ウィーン分離派やシュルレアリスム、アーツ・アンド・クラフツ運動など、20世紀の主な美術運動とデザインが展観できる作品から、90年代以降に制作された国内の作品まで所蔵し、なかでもアルテ・ポーヴェラなどヨーロッパの戦後美術のコレクションが充実している。テーマに沿った同時代作家の近作も並ぶ常設特別展も人気。作家と遺族から多数寄贈された小堀四郎、宮脇晴、宮脇綾子の作品は常設展示されており、ジェニー・ホルツァー《豊田市美術館のためのインスタレーション》(1995)など、建物と一体化した恒久展示作品もある。直線と矩形を基調とするミニマルな建物は、ニューヨーク近代美術館新館の設計で知られる谷口吉生による。11室ある大小の展示室は、天井が高くさまざまな展示に対応できるばかりでなく、階段や上階から作品を見下ろしたり、展示室をつなぐガラス張りの通路から豊田市街を見下ろせるなど、機能的でありながら意外性も持ちあわせた設計になっている。2014年9月から改修工事のため1年間休館し、15年10月にリニューアルオープン。谷口による建築の意匠はほぼそのままに、エレベーターやスロープが新設され、バリアフリー化が施された。敷地内には漆芸家、高橋節郎が寄贈した作品を収蔵する高橋節郎館を併設している。
補足情報
参考文献
『豊田市美術館所蔵作品選2001 Vision』,豊田市美術館,2001