日本デザインコミッティー
- Japan Design Committee
- 更新日
- 2024年03月11日
1955年に東京で発足し、現在も存続するデザイン組織。創立メンバーのひとりで、デザイン評論家の勝見勝が、「建築家とデザイナーと美術家は、汎地球的な規模における人類文明のため、協力を重ねなければならない」と述べたように、さまざまな領域・立場の人々が集まり、「グッド・デザインの啓蒙」を展開して来た。立ち上げ当初から中心となったのは、勝見のほか、プロダクト・デザイナーの剣持勇と渡辺力、グラフィック・デザイナーの亀倉雄策、建築評論家の浜口隆一ら。時代に即して交替するメンバーの見識で、優れたプロダクトを「選定」し、それを商品として、百貨店「松屋銀座」で「展示・販売」する活動を継続している。この活動は「デザインコレクション」(当初は「デザインコーナー」)と称され、一般の市民に優れたプロダクトに触れる機会を提供している一方、わが国のデザイン政策が「産業振興」を主眼とする路線(経済産業省/当時は通商産業省の範疇)から脱していないことの現われと見ることもできる。なお、発足のきっかけは、第10回ミラノ・トリエンナーレ(1954)に向けてデザイナー、建築家、評論家たちが組織した「国際デザインコミッティー」(1953)だった。