配置(レイアウト)
- Layout
- 更新日
- 2024年03月11日
三次元(建築、インテリア、プロダクト、ディスプレイ、パッケージ、サインなど)、二次元(主としてグラフィック)を問わず、個々のエレメントをどのように並べるのか、全体のコンポジションはどのような効果や意味を持つのかを考える配置(レイアウト)は、「わざ」(手法)としてのデザインの基本のひとつである。配置は、目的やユーザーと、デザインの対象となるモノ・コトの間に介在するアフォーダンス(より正確には「客観的アフォーダンス」)に関わり、それを示唆・喚起する手掛かりや、活性化・円滑化させる仕掛けとして機能する(すなわち「主観的アフォーダンス」となる)。例えばロングシートの鉄道車両の設計であれば、着席率を上げることはもちろん、さまざまな年齢・体型・服装・所持品の乗客一人ひとりが快適に座ることができ、季節・天候・時間に左右されにくい環境を設計するとなると、単にシートだけではなく、手すり棒や窓の配置をも考える必要がある。実際に車内の様子を観察すると、空いた車両の場合は、ロングシートの端や中央から席が埋まり、やがて隣の人との間に距離を置きながら乗客が腰を掛けていく。このことを心理的な観点から調整するべく、シート、手すり棒、窓、時にはシート間の仕切りで工夫を図る。「着席する」という客観的アフォーダンス、「適正に・心地良く座ってもらう」という主観的アフォーダンスが、望ましい配置によって導かれる。