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白馬会

Hakuba-kai
更新日
2024年03月11日

明治期の洋風美術団体。1896(明治29)年に、明治美術会を脱会した黒田清輝と久米桂一郎を中心に結成され、毎年展覧会を開催した。会の名前は「しろうま」というどぶろくの別称にちなむ。フランスでラファエル・コランに師事した黒田は、白馬会と同年に組織された東京美術学校西洋画科を通じて外光派を広めた。それは、アトリエの人工的な照明を嫌って戸外の直接的な光のもとで油彩画を制作するものであり、アカデミズムと印象派の折衷的な表現であった。既存の洋画団体である明治美術会の油彩画が比較的暗く、物質感の再現を主に意図していたのに対して、黒田らは明るい光に満ちた感覚的な表現を行なった。その表現は、油彩画の堅牢な画面づくりを重視しなくなったという面もあるが、文壇のロマン主義の流行とあいまって若い画家たちの共感を集め、明治後半の画壇の主流となる。黒田以前と以後を「脂派/紫派」、あるいは「旧派/新派」と呼ぶこともある。同展参加者に、藤島武二、岡田三郎助、青木繁、和田英作などが知られる。彫刻や版画の出品もあった。1910年に解散し、メンバーであった中澤弘光、杉浦非水らによって光風会が結成された。

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参考文献

『白馬会 明治洋画の新風 : 結成100年記念』,石橋財団ブリヂストン美術館ほか編,日本経済新聞社,1996
『日本近代洋画の成立・白馬会』,植野健造,中央公論美術出版,2005