バウハウス
- Bauhaus(独)
- 更新日
- 2024年03月11日
1919年、ドイツのヴァイマールに設立された、総合的造形教育機関。建築家ヴァルター・グロピウスが初代学長を務めた。グロピウスは、14年の終わり頃から、彼自身が学長に推薦されていた、ヴァイマール美術学校の改組案を練り始め、美術学校と隣の工芸学校を統合し、建築部分を新しく加えるかたちでバウハウスを開校させた。ここでいう「総合」あるいは「総合的造形教育」とは、絵画、彫刻、諸工芸、建築(後に写真も加わる)に関するさまざまな訓練を、一連の過程と見なし、行なうことを意味する。開校にあたって公表された「バウハウス要項」のなかで、グロピウスが記した有名な文句、「すべての造形芸術が最終的に目指すところは完成した建築にある!」はしばしば引用され、バウハウスの教育目標が建築にあったかのように解釈されることがある。しかし、造形の集大成である建築をもとに調和のとれた造形と、芸術と工芸への見直しを促していたと考えるのが正しい。その教科課程はヨハネス・イッテンによる「予備課程」を経て、金属、陶器、家具、織物などの七つの工房で「専門教育」を受けた後、最終段階である「建築教育」へ進むことになっていた。26年にデッサウ校舎に移転。33年にはナチス政権の圧力で閉校を余儀なくされる。閉校までの活動はデザインや建築の分野だけでなく、20世紀芸術と造形教育に大きな影響を与えた。
補足情報
参考文献
『バウハウス叢書 全14巻』,中央公論美術出版,1991-99
『バウハウス──1919-1933』,マグダレ-ナ・ドロステ、Nakano Mariko,タッシェン・ジャパン,2009
『バウハウス──その建築造形理念』(SD選書 156),杉本俊多,鹿島出版会,1979
『ヴァイマルの国立バウハウス1919‐1923』,(1923年ヴァイマールで開催された最初のバウハウス展カタログ、利光功訳),中央公論美術出版,2009
「バウハウス・テイスト-バウハウス・キッチン」展カタログ,パナソニック電工 汐留ミュージアム,2010