BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
- BIM(Building Information Modeling)
- 更新日
- 2024年03月11日
建設事業の生産性向上を目的とする、コンピュータを用いたプロジェクト管理手法。頭文字を取ってBIM(ビム)と略称されることが多い。建物のデジタルモデルを中心にプロジェクトに関わる情報を集中管理し、事業者主導のもと施主・設計・施工・設備といったステークホルダーを協働させることで、設計プロセスの前倒しや施工段階での手戻りを防ぐ効果があると期待されている(IPD/インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー) 。このデジタルモデルは柱や梁、建具といった属性情報を持つ「BIMオブジェクト」の組み合わせとして表現されており、BIMオブジェクトそれぞれに寸法情報や素材・コスト・品番などの情報を付与することで、プロジェクト関連情報を司る一種のデータベースとして運用することができる。建設後の施設運営(FM/ファシリティ・マネジメント)への応用も進められており、計画から運用・改築・解体まで、施設のライフサイクル全体を管理する「ライフサイクルBIM」が可能になれば、事業者にさらなる利益がもたらされると言われている。
現在のBIMに相当するアイデアは少なくとも1970年代の段階で構想されていたが、2000年代初頭の北欧で先鞭がつけられるまで、その実用化には20年以上の時間を要した。日本では10年に国土交通省より「官庁営繕事業におけるBIM導入プロジェクトの開始について」 が発表され、国をあげたBIM活用への後押しが行なわれている。急速に進む職人不足を背景に、高度な生産管理を可能にするBIMへの期待は今後も高まってゆくと予想される。他方、専門人材(BIMオペレータ)の不足、建設業全体のIT化の遅れなどが普及の障壁となっている。
補足情報
参考文献
BIM建設革命,山梨知彦,日本実業出版社,2009
BIM その進化と活用 建築を目指す人、BIMに取り組む人のガイドブック,公益財団法人 日本建設情報技術センター(JCITC)『BIM その進化と活用』編集委員会,日刊建設通信新聞社,2016