ホイットニー美術館
- Whitney Museum of American Art
- 更新日
- 2024年03月11日
ガートルード・ヴァンダービルト・ホイットニーによって1930年にニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジ西8丁目に創設、翌31年に開館した美術館。66年に現在のマディソン・アヴェニュー75丁目に移転した。建物の設計はマルセル・ブロイヤーとハミルトン・スミスによる。現在の収蔵作品は15,000点以上を数える。ホイットニーは、造船業と鉄道で資産を築いた当時最も裕福な家庭に生まれた。彼女はアート・スチューデンツ・リーグで彫刻を始め、パリでも独学した彫刻家でもあった。14年に自身のスタジオで企画展を開催し、その4年後には、共同展示スペースや美術資料図書館なども含む「ホイットニー・スタジオ・クラブ」を開設している。ホイットニーは「ジ・エイト」のメンバーらをはじめとして、ニューヨークの野心的な若い作家たちと交流を深め、その過程で同時代のアメリカの前衛美術家たちの作品を収集・支援した。29年にメトロポリタン美術館館長エドワード・ロビンソンにアメリカ作家の作品500点の寄贈をホイットニーが持ちかけたが断られたことを発端として、アメリカ現代美術のための美術館として開館準備が進められた。32年に「現代アメリカ絵画 第1回ビエンナーレ」、35年に「アメリカ抽象絵画」展が開催されるなど、アメリカの現役作家の支援・育成を最も早い時期に掲げ、実行してきた組織である。2015年に完全移転した。
補足情報
参考文献
『NHK世界美術館紀行 5:ホイットニー美術館 フリック・コレクション バーンズ財団』,NHK「世界美術館紀行」取材班編,日本放送出版協会,2005
「アメリカーホイットニー美術館コレクションに見るアメリカの素顔」展カタログ,長崎県美術館、府中市美術館、金沢21世紀美術館、北九州市立美術館、郡山市立美術館編,ホワイトインターナショナル,2005