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ミュゼオロジー

museology
更新日
2024年03月11日

博物館や美術館の社会的機能、運営、活動などを対象とする学問・研究領域。近代美術館の定着が進んだ20世紀に入って生まれた比較的新しい研究分野である。「博物館学」あるいは「美術館学」と訳されることもあるが、学芸員資格取得のための単位として、大学において博物館の基礎事項を概論的に論じる講義が「博物館学」と呼ばれる(この名称で博物館法に規定されている)のに対し、通常ミュゼオロジーと呼ぶ場合はより広い理論的研究を含む。社会における博物館(美術館を含む)の存在と機能、およびその変遷に対する分析、作品・資料保存に関わる実際的な技術研究、博物館をめぐる法制度の研究など、学問的な関連範囲は幅広い。日本では、1980年代以来美術館の建設が相次ぐ一方で90年代末頃から経営的な困難が目立ち始め、これを背景にとりわけ博物館運営を研究するミュージアム・マネジメントが2000年代に盛んに論じられた。またこれと関連して、社会教育施設としての博物館の側面を踏まえ、鑑賞教育に重点を当てた研究が進んでいるのも2000年代以降に顕著な動向である。

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参考文献

『博物館学 フランスの文化と戦略』,西野嘉章,東京大学出版会,1995
『美術館はどこへ? ミュージアムの過去・現在・未来』(廣済堂ライブラリー),暮沢剛巳,廣済堂出版,2002
『ミュージアムマネージメント:産業文化施設の運営』,諸岡博熊,創元社,1993